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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

第5話・最終回|営業教育で会社は変わる

「安くしないと売れない」は営業だけの問題ではない|社長が取り組む営業教育

これまで4回にわたり、

「営業教育で会社は変わる」

というテーマでお伝えしてきました。

第1話では、利益を理解すること

第2話では、営業は話す仕事ではなく、お客さまの話を聞く仕事であること

第3話では、お客さまを知り、その課題を解決する専門家になること

第4話では、自社の商品やサービスの価値を言葉にし、ストーリーで伝えること

こうして振り返ってみると、営業教育とは、単に「営業担当者の売り方を上達させること」ではないことが見えてきます。

営業担当者は、お客さまと会社をつなぐ存在です。

お客さまの声を聞き、

課題を知り、

解決方法を考え、

会社の価値を届ける。

そして、そこで得た情報を会社へ持ち帰る。

私は、この循環をつくることが、営業教育の大切な役割だと考えています。


経営のインパクトは「商品3分に売り7分」

ランチェスター戦略では、経営へのインパクトを考える時に、

「商品3分に売り7分」

という考え方があります。

これは、商品が大切ではないという意味ではありません。

良い商品をつくることは、もちろん重要です。

しかし、どれほど良い商品や技術を持っていても、それを必要としているお客さまへ届ける仕組みがなければ、売上にはつながりません。

誰をお客さまにするのか。

どのように新しいお客さまと出会うのか。

何に困っているのかを、どのように聞くのか。

どのような解決策を提案するのか。

自社の商品やサービスの価値を、どう伝えるのか。

購入後、どのように関係を続けていくのか。

こうした一連の「お客さまづくり」が経営に大きな影響を与えます。

商品・サービスを磨く。

そして、その価値を必要としているお客さまへ届ける。

この両方があって、会社の力になるのです。


営業担当者は、お客さまに最も近いところにいます

営業担当者は、毎日お客さまと接しています。

つまり会社の中で、お客さまの変化を最も早く知ることのできる立場にいます。

「こんなことで困っています」

「最近、こんなことが増えてきました」

「今までとは違う方法を探しています」

「ここがもう少し改善されたら助かります」

こうしたお客さまの声には、経営のヒントがたくさんあります。

新しい商品のヒントになるかもしれません。

サービス改善のきっかけになるかもしれません。

今まで気づかなかった客層が見つかることもあります。

価格設定を見直す材料になる場合もあります。

営業担当者が集めた情報は、営業部門だけのものではありません。

経営の意思決定に使う情報でもあるのです。


営業から上がってくる声を、そのまま顧客の声と思わない

ここに、営業管理の難しさもあります。

営業担当者から、

「お客さまは価格が高いと言っています」

「この商品は必要ないようです」

「この業界では難しいと思います」

という報告が上がってくることがあります。

しかし、それがお客さまの言葉そのものとは限りません。

営業担当者の知識。

これまでの経験。

考え方。

性格。

その時の受け止め方。

さまざまなものが加わって、会社へ報告されることがあります。

同じ話を聞いても、人によって解釈は変わります。

経営者や営業責任者は、

「お客さまが実際に言ったことは何か」

と、

「営業担当者がどう解釈したのか」

を分けて考える必要があります。

ここを整理しないまま指示を出すと、営業現場とのズレが大きくなってしまいます。


第1の教育 利益を理解する

営業教育の出発点として、私は利益の意味を理解することが大切だと思っています。

売上だけを追いかけて、値引きを繰り返す。

それでは会社に十分な粗利益が残りません。

粗利益は、人を育てる。

設備を整える。

新商品を開発する。

働く環境を良くする。

未来へ挑戦する。

そのための原資になります。

営業担当者が、「なぜ利益が必要なのか」を理解すると、価格に対する見方も変わってきます。

値段を下げることだけを考えるのではなく、「どうすれば、この価値を分かっていただけるだろう」と考えるようになります。


第2の教育 お客さまの話を聞く

営業担当者は、商品のことを勉強すればするほど説明したくなります。

しかし営業は、こちらが話すことから始まるのではありません。

まず、お客さまへ質問する。

そして、じっくり話を聞く。

何に困っているのか。

なぜ、その問題が起きているのか。

今までどんな方法を試してきたのか。

これから、どのような状態にしたいのか。

聞かなければ分かりません。

営業教育では、商品説明の練習だけではなく、お客さまに何を聞くのかを学ぶことも大切です。


第3の教育 お客さまを知り、課題を解決する

第3話では、私がサポーター専門店を訪れた時の体験をご紹介しました。

そのスタッフの方は、いきなり商品を勧めませんでした。

私の痛みについて聞き、

歩き方を見て、

状態を確認し、

私に合う商品を提案してくださいました。

ここに、専門家としての姿勢を感じました。

営業とは、商品を売る仕事ではありません。

お客さまを知り、その課題を解決する仕事です。

一人のお客さまの課題に深く向き合う。

解決方法を考える。

結果を確認する。

また次の課題に向き合う。

この経験の積み重ねによって専門性が高まります。

そして、同じ課題を持つ人から、

「このことなら、この会社に相談したい」

と思っていただけるようになります。


第4の教育 商品の価値を言葉にする

第4話では、

「ローマで2位になったマルゲリータ」

について書きました。

ローマで2位になったというだけでも、大きな特徴です。

しかし、その理由や価値を説明してもらえなければ、お客さまには価格の違いしか見えません。

自社の商品は、他社と何が違うのか。

なぜ、その商品がお客さまから選ばれているのか。

どんな課題を解決しているのか。

どんな技術や経験があるのか。

どんなストーリーがあるのか。

これらを会社として言語化しておく必要があります。

そして営業担当者が、自分の言葉で説明できるようにする。

商品の価値をストーリーで伝えられるようにする。

これも営業教育です。


営業教育が商品を強くする

ここまで考えると、営業教育は営業担当者だけの話ではありません。

営業担当者がお客さまの話を聞く。

そこから課題が見つかる。

会社へ持ち帰る。

商品やサービスを改善する。

改善された価値を営業担当者がお客さまへ届ける。

そして、また新しい声を聞く。

この循環によって、商品も営業も少しずつ磨かれていきます。

つまり、

商品が営業を助け、営業がお客さまの声によって商品を育てる。

この循環が会社の競争力を高めます。

「商品3分に売り7分」という考え方も、私はこのように捉えています。

売ることだけを強くするのではありません。

商品と営業をつなぎ、お客さまを中心に経営を回していくことが大切なのです。


変化の速い時代こそ「営業の型」をつくる

今は、お客さまの情報収集の方法も大きく変わっています。

webサイト・SNS/動画・口コミ・比較サイト。

展示会や紹介。

営業担当者と会う前に、お客さま自身が多くの情報を持っている。

そのため、成果へたどり着く道のりも一つではありません。

結果が出ていない営業担当者がいても、本人なりに一生懸命取り組んでいることがあります。

そこを見ずに、

「もっと訪問しなさい」

「昔はこうやって売った」

「気合いが足りない」

という指導だけをすると、現場との距離が広がることもあります。

原理原則は変わりません。

しかし、実践方法は変化します。

誰に営業するのか。

何を聞くのか。

どのように課題を整理するのか。

どんな提案をするのか。

どのようにフォローするのか。

営業結果をどのように振り返るのか。

これらを会社として考え、自社に合った営業の型をつくることが必要です。

型とは、人を縛るマニュアルではありません。

迷った時に戻れる基本です。


営業の方針を決めるのは経営の仕事です

営業担当者に、

「もっと売ってこい」

と言うだけでは、営業戦略にはなりません。

誰をお客さまにするのか。

何を重点商品にするのか。

どの地域で営業するのか。

どの課題解決で専門性を高めるのか。

どのような方法で新しいお客さまをつくるのか。

これらは営業担当者だけで決めることではありません。

経営として決めるテーマです。

ランチェスター戦略では、限られた経営資源を分散させず、重点を決め、そこへ力を集中します。

営業も同じです。

あれもこれも営業するのではなく、

「ここで選ばれる会社になろう」

という重点を決める。

そして、営業担当者がその方針を理解し、お客さまとの接点をつくる。

ここに、経営と営業教育のつながりがあります。


営業教育とは「お客さま中心の経営」を実践する人づくり

私は、営業教育とは、営業技術を教えることだけではないと思っています。

お客さまを知る。

課題を理解する。

解決策を考える。

商品の価値を伝える。

お客さまの声を会社へ戻す。

会社が商品やサービスを磨く。

その価値を、再びお客さまへ届ける。

そして適正な利益を生み出し、その利益を人材や設備、新しい商品へ投資する。

この循環をつくることです。

営業担当者が育つと、お客さまのことが分かる会社になります。

お客さまのことが分かると、経営の意思決定にも変化が生まれます。

営業教育とは、お客さま中心の経営を実践するための人づくり。

私は、そのように考えています。


まとめ

5回にわたって、営業教育についてお伝えしてきました。

営業担当者に必要なのは、

利益を理解する力。

お客さまの話を聞く力。

お客さまを知り、課題を解決する力。

商品や会社の価値を伝える力。

この四つです。

そして、営業担当者がお客さまから得た情報を会社へ戻し、商品やサービスをさらに磨いていく。

営業と商品が循環することで、お客さまから選ばれる力が高まっていきます。

営業教育とは、営業担当者だけを育てる取り組みではありません。

会社がお客さまを理解する力を高めることです。

商品3分に売り7分。

良い商品をつくることと、その価値を必要としているお客さまへ届けること。

この両方を経営として考え、実践できる人を育てていく。

それが、私が考える「営業教育で会社は変わる」という意味です。


場当たり的な営業から抜け出したい方へ

売上が落ちると急いで新規営業を始める。

営業担当者によって、聞くことも提案方法も違う。

営業会議が、売上数字の確認だけになっている。

お客さまから聞いた情報も、事実なのか担当者の解釈なのか分からない。

このような状態では、営業担当者も経営者も迷います。

変化の速い今、営業の原理原則は変わらなくても、成果へ至る方法は一つではありません。

誰に営業するのか。

何を聞くのか。

どの課題を解決するのか。

どの商品を重点にするのか。

どのように価値を伝え、どのようにフォローするのか。

場当たり的に指示を出すのではなく、事業戦略とつながった自社独自の営業の型をつくることが必要です。

営業担当者の頑張りだけに頼らず、会社としてお客さまづくりの仕組みを整えたい。

営業教育を経営の視点から見直したい。

そのように感じている社長、営業責任者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご相談はこちらへ

現在の営業活動を整理しながら、自社はどこから取り組めばよいのか、一緒に考えていきます。

このブログについて

この「営業教育で会社は変わる」シリーズは、広島日野自動車さまで開催した営業研修の内容をもとに創作しています。

研修では、粗利益の考え方、お客さまの話を聞くこと、課題を理解して解決策を考えること、自社の商品やサービスの価値を伝えることなどについて、参加者の皆さまと一緒に考えてきました。

私自身も、研修での対話や皆さまの気づきから、多くのことを学ばせていただきました。

このブログでは、その研修内容を振り返りながら、ランチェスター戦略の考え方と、私自身の体験を重ねて「営業教育」という視点から整理しています。

営業は、商品を売るだけの仕事ではありません。

お客さまを知り、課題を解決し、その声を経営へ戻していく。

このシリーズが、皆さまの会社の営業教育やお客さまづくりを考えるきっかけになれば嬉しく思います。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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