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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

第4話 価値を言葉にできない会社は、価格で比較される

価値を言葉にできない会社は、価格で比較される

ローマで2位のマルゲリータを注文しなかった理由

前回のブログでは、営業担当者の仕事は、

商品を売ることから始まるのではなく、

お客さまを知ることから始まるとお伝えしました。

⇒こちらが前回のブログです
https://www.nna-osaka.co.jp/about-nna/sato-blog/post-22271/

お客さまの話を聞く。

何に困っているのかを知る。

課題を整理し、その人に合った解決策を考える。

一人のお客さまの課題に真剣に向き合う経験が、

営業担当者の専門性を高めます。

そして、その経験が蓄積されることで、

同じような課題を持つお客さまから選ばれる会社へと近づいていきます。

しかし、どれほど高い専門性があっても、それだけでは十分ではありません。

自社や商品の価値が、お客さまに伝わっていなければ、選ばれる理由にはならないからです。

私は、あるピザ屋さんでの体験を通して、価値は言葉にして初めて伝わることを改めて感じました。

それでは詳しくご紹介します。


「ローマで2位」のマルゲリータ

ある日、大阪で評判のピザ屋さんへ行きました。

メニューを見ると、

「ローマで2位になったマルゲリータ」

と書かれていました。

私は、その言葉に興味を持ちました。

ローマで2位になったピザなら、一度食べてみたいと思ったのです。

価格を見ると、1,800円でした。

一方、普通のマルゲリータは950円です。

見た目だけでは、二つの違いがよく分かりませんでした。

そこで、私は店員さんに尋ねました。

「この二つのマルゲリータは、何が違うのですか」

すると、返ってきた答えは、

「うーーーん。ちょっと違うだけで、ほとんど一緒です」

というものでした。

私は少し考えて、950円のマルゲリータを注文しました。


その訳を言ってくれなかった

「ローマで2位になった」という事実には、大きな価値があったと思います。

評価された理由があったはずです。

生地のつくり方なのか。

焼き方なのか。

素材の選び方なのか。

職人の技術なのか。

ただ、私はその違いを教えてもらえませんでした。

価格差の理由や、商品に込められた背景を聞けなかった。

そのため、私にとって二つのマルゲリータを比べる基準は、

価格だけになってしまったのです。

商品の価値がなかったわけではありません。

価値が言葉になっていなかったのです。

そして伝わらなかった。


お客さまは、違いが分からなければ価格で選ぶ

これは、営業の現場でもよく起きていることではないでしょうか。

技術には自信がある。

品質にもこだわっている。

長年の経験がある。

細かな要望にも対応している。

それでも、お客さまから、

「他社と何が違うのですか」

と聞かれた時に、営業担当者が十分に答えられないことがあります。

「品質が良いです」

「対応が早いです」

「技術力があります」

これだけでは、お客さまには具体的な違いが分かりません。

他社も同じような説明をしていれば、なおさらです。

違いが分からなければ、お客さまは価格を比べます。

価格は、最も分かりやすい比較基準だからです。

価格競争が起きる背景には、商品に価値がないのではなく、

その価値が具体的な言葉になっていないこともあると私は考えています。


ランチェスター商品戦略

商品の差別化とは、珍しい商品をつくることだけではありません。

自社の商品やサービスが、

誰のどんな困りごとに役立ち、

他社と比べて何が違うのかを徹底的に明確にすることです。

お客さま

ライバル会社

それらの関係者から情報を集める。

自分の会社の得意なことを列挙するのではなく、

顧客が勝ちだと感じているものを中心に書き出していみるのです。

既存顧客をインタビューしてその違いを見いだしていくことが何より大事なります。

そして、その違いを営業担当者が

現場の言葉で説明できて、初めて選ばれる理由になります。

この整理が、価格ではなく価値で選ばれる営業の土台になります。


ストーリーは、価値を記憶に残します

商品の価値を伝える時に、

大きな力を持つのがストーリーです。

数字や性能は比較しやすいものです。

一方で、開発までの経緯や、職人の経験、

お客さまの課題を解決した実話には、その会社ならではの価値があります。

例えば、

なぜ、その商品をつくろうと思ったのか。

どのような失敗を重ねて完成したのか。

どのようなお客さまの困りごとから生まれたのか。

導入したお客さまに、どのような変化が起きたのか。

こうしたストーリーがあると、

お客さまは商品を単なる機能や価格だけで見なくなります。

商品の背景にある考え方や、人の姿が見えるからです。

ストーリーは、

会社の価値を分かりやすくし、記憶に残りやすくしてくれます。

私は、これからの営業担当者には、

商品を説明するだけではなく、

商品の価値をストーリーで伝える力も必要になります。


事業の方針

商品やサービスの価値を伝えられないのは、

営業担当者だけの問題ではありません

これは会社として、

何を強みとするのか。

どの分野で1位を目指すのか。

お客さまは何を評価してくださっているのか。

他社との違いはどこにあるのか。

これらが整理されていなければ、

営業担当者によって説明が変わるのは自然なことです。

これは事業の方針、戦略そのものなのです。

営業担当者の感覚だけに任せるのではなく、

自社に合った営業の型をつくることが大切です。


営業教育とは、価値を伝えられる人を育てることです

営業教育というと、話し方や商品知識、

クロージングの方法を教えることが中心になりがちです。

しかし、それだけでは不十分です。

営業担当者には、

お客さまの課題を聞く力。

その課題に合った解決策を考える力。

自社や商品の価値を理解する力。

その価値を、お客さまに分かる言葉で伝える力。

これらが求められます。

第3話でお伝えしたように、

一人のお客さまの課題を解決する経験が、

営業担当者の専門性を高めます。

そして、その専門性や商品の価値を言語化し、

ストーリーとして伝えられるようにする。

ここまで取り組むことで、価格だけで比較される営業から、

価値を理解して選んでいただく営業へと変わっていきます。

営業教育とは、商品説明を覚えさせることではありません。

自社の商品価値を理解し、

それをお客さまに分かる言葉で伝えられる人を育てることです。


価値を高める方法

価値は、あるだけでは伝わりません。

技術、品質、経験、対応力があっても、

それを具体的に説明できなければ、

お客さまは他社との違いを判断できません。

・商品の価値を10個あげてみること。

・誰のどんな課題を解決するのか言語化すること。

・ストーリーとして伝えられるようにすること。

この三つがそろうことで、

商品の差別化が営業の現場で生かされるようになります。

営業担当者が伝えるのは、機能や価格だけではありません。

その商品が生まれた理由と、お客さまにもたらす価値です。


場当たり的な営業から抜け出したい方へ

変化の速い現在も、

営業の原理原則そのものが大きく変わるわけではありません。

一方で、成果に至るまでの道筋は多様になっています。

結果だけを見て、これまでの成功体験を当てはめて指導すると、

本人の努力を見落とし、関係が悪くなることもあります。

商品の価値をどのように整理し、営業担当者が同じ方向で伝えるのか。

場当たり的な指導を続けるのではなく、

自社に合った営業の型を模索し、

現場で使える仕組みへ整えることが必要です。

営業の進め方や教育方法を整理したい社長、

営業責任者の方は、ぜひ一度ご相談ください。


次回は、このシリーズの最終話です。

営業担当者が、利益を理解し、お客さまの話を聞き、課題を解決し、価値を伝えられるようになるために、会社はどのような営業教育を行えばよいのでしょうか。

「営業教育で会社は変わる」

その全体像についてお話しします。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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