私が起業を思い立ったのは、27歳のときです。父がガンで亡くなったことがきっかけでした。父は４７才、働き盛りでした。母と兄弟４人の家族を「私が守る」その一念で事業を始めました。

創業当時の大切な思い出が今の私の原点です。
パソコンの出張メンテナンスでパソコンとパソコンをネットワークで繋ぐという作業の依頼を受けました。作業は依頼者（社長）のご自宅でした。当時は性能がよくなくて、なかなか作業がうまくいかず、ネットワークが機能しませんでした。外は暗くなってきたとき、階段の下から「もう降りておいで」と、声を掛けられました。「怒られる」と思い、1階に降りると温かいカレーライスが用意されていました。

作業に戸惑っていた私たちに社長が「これ、君ら食べて帰り、作業ができていないのは仕方がない、また来て、作業してくれたいいよ」とやさしい言葉を掛けてくれました。カレーライスはほんまに美味しかった。そして帰ろうとしたら「これ君ら持って帰り」といって社長が3万円くれました。
「仕事ができていないので、いりません！」というと「君らの頑張った報酬や」と言って手渡されました。嬉しかった。

私はこの人のためなら一生貢献したいと思いました。いまでもその社長とお付き合いしてます。大阪で大きな事業をしていて、たたくさんの方に、慕われています。
人と付き合うときお金にこだわるのでは無く、長い付き合いをする気持ちを大切に仕事をしていきたいと思った体験です。

人として経営者として相手を思いやる気持ちを忘れずに生きていきたいと強く思っています。

私の大切にしている忘れられない体験をご挨拶に代えさせて頂きます。

NNA株式会社
代表取締役　佐藤元相