既存客を大切にできない会社は、いつまでも新規に追われる
先日、ある工務店の社長から、
「最近、紹介が減ってきたんです」
という相談を受けました。
よく話を聞くと、
家を建てた後、
お客さまとの接点がほとんどない。
年賀状やカレンダーは届けている。

しかし、
関係はそこで止まっているというのです。
実はこれ、
工務店業界では非常に多い話です。
家を建てる時は一生懸命。
でも、
完成した瞬間、
関係が終わってしまう。
手がいっぱいで面談、訪問する回数が激減する。
回数が減ってくると気まずくなっていく。
やがて顧客は「工事が終わったらこんなものか」
と冷めてしまう。
しかし逆に、
紹介が増える会社は、
“売ったあと”
の関わり方が違います。
実は、
ここに大きな差があるのです。
それでは詳しくご紹介します。
目次
なぜ、新規ばかり追いかける会社は苦しくなるのか?
多くの会社は、
「新規のお客さまを増やさなければ」
と考えています。
もちろん、新しい出会いは大切です。
しかし実際は、
新規開拓には大きなお金と労力がかかります。
住宅業界では、
年間数千万円単位で広告費を使う会社が普通にあります。
EC業界でも、
広告費だけで月1000万円以上という話も珍しくありません。
つまり今の時代は、
多くの会社がけっこうな販促費用を費やして、
新たに出会うお客さまとの機会をつくっています。
だから、
- 比較される
- 値引かれる
- 利益が減る
- また新規を追う
という流れに入りやすい。
これが苦しくなる大きな原因なのです。
紹介が増える会社は、何をしているのか?
では、
業績が安定している会社はどうしているのか。
答えはシンプルです。
OB客との関係づくりを大切にしている。
そして、
事業がうまくいっている会社ほど
お客さまからの紹介比率が高い。
8割紹介。
2割新規。
そんな会社も少なくありません。
紹介とは、
「この会社なら安心やで」
という信用の上に成り立っています。
だから価格だけで比較されにくい。
では、
どうすれば紹介が増えるのか。
ポイントは、
良い関係が続いているか
なのです。
家を建てたあと、連絡が来ない
私自身、
15年以上前に家を建てました。
当時、子どもはまだ中学生。
3人います。
家を建てる時、
工務店さんは本当に熱心でした。
ところが、
建てたあと、ほとんど連絡がありません。
そして、
子どもたちが大きくなってきました。
「家を建てたい」
となった時に、
その工務店さんに連絡を入れることはありません。
もう、縁が切れてしまっているからです。
娘が結婚して家を考える。
息子が家を考える。
本来なら、
そこには大きな可能性があったはず。
しかし、
もう、家族との関係が切れている。
だから相談をもちかけることはありませんでした。
これは本当にもったいないことなのです。
「年賀状とカレンダーだけ」では関係は続かない
時々、
「年賀状送ってます」
「カレンダー配ってます」
という会社があります。
もちろん、
やらないよりは良い。
しかし、
それだけでは関係は深まりません。
なぜなら、
お客さまは、
「気にかけてもらっている」
と感じにくいからです。
例えば、
- 大雨が降ったときは「いつでも連絡くださいね」と一報を入れる
- ご不便はありませんか?と困りごとを聞きに行く
- 「ちょっとよりました」と定期的に話を聞く
- 家族の変化、暮らしの変化を記録している
そんな関わりがあると、
「気にかけてくれてるんやな」
と感じるのです。
だからこそ、
信頼関係が深くなっていく。
これが紹介につながるのです。
トヨタの営業マンは、車を売っていなかった
以前、
私が初めて車を買った時の話です。
担当の営業マンが、
本当によく話を聞く人でした。
「ゴールデンウィーク、どこ行かれたんですか?」
「長野まで夏スキーに行かれたんですね」
「結構、距離走りました?」
そんな話を自然に聞いてくる。
そして、
「雪道走ったら下回り傷みやすいので洗車しときますね」
「オイル交換券ありますよ」
と、こちらの状況に合わせて提案してくれる。

しかも、
うちには子どもが3人いることも覚えている。
つまり、
車を売っているのではない。
家族との関係を作っていたのです。
だから、
次も自然とそこへ行く。
車検のたび
修理のたび
対話があり、
ずっと関係が続いているのです。
これが顧客維持戦略なのです。
「売ったあと」が、会社の未来を決める
今の時代、
商品だけでは差別化しにくい。
技術だけでも選ばれにくい。
だからこそ重要なのが、
売ったあと
なのです。
- どんな関係を続けるのか
- どう接点を持つのか
- どう信頼を深めるのか
ここが重要になります。
逆に、
「売ったら終わり」
の会社は、
ずっと新規を追い続けなければならない。
だから苦しくなる。
つまり、
既存客との関係づくりとは、
単なるアフターフォローではありません。
未来の売上をつくる活動
なのです。
「誰を大切にするのか」を決めていますか?
ランチェスター戦略では、
既存客を分析し、
グループ分けすることを大切にします。
例えば、
- 紹介を多くくれる方
- 家族の多い方
- 地域ネットワークが強い方
- リピート率の高い方
こうして見ていくと、
「もっと大切にした方がいいお客さま」
が見えてきます。
これは、
売上だけを見ていても分かりません。
見るべきなのは、
関係性
なのです。
つまり戦略とは、
「誰と、どのように良い人間関係をつくっていくか」
を決めることでもあるのです。
紹介される会社には理由がある
紹介が増える営業マンは、
お客さまのことを
- 気にかける
- 観察する
- 聴く
- 定期的に関係を続ける
という積み重ねがあります。
最後に選ばれるのは、
「この人なら安心やな」
という信頼なのです。
そして、その信頼は、
売ったあとに作られていくのです。
今回お話した内容は、
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投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。



