小さなお店繁盛店の法則

小さなお店繁盛店の法則

クレームがあった時の基準をつくろう!

今回は、クレーム対応と経営改善における顧客満足度の向上をテーマに考えていきます。

クレーム対応

クレーム対応で印象的だったことがあります。
ある中堅の建築会社で、購入後3年経ったお客さまの満足度を調査するために、
「お客さま取材をしましょう」
と、担当者に言ったところ、すぐさま担当者は、
「住宅産業はクレーム産業と言われていて、お客さまのところへ伺うと必ずクレームが出るんですよ。ですから極力、お客さまのところへは訪問しないようにしているのが現状です。」
と言って取材を行いませんでした。

一方、地域密着型で評判の良い小さなリフォーム会社では、
「具合はどうですか?お困りごとはないですか?」
と、担当者が2ヶ月に1回定期的にお客さまを訪問していました。


この会社では、「買っていただいてからが勝負だ!」とお客さまの声に耳を傾け積極的にクレーム対応に取り組んでいます。
その結果、地域のお客さまから信頼を得て繁盛店となっています。

クレームの要因

お店で販売活動をしていると、お客さまから様々なカタチでクレームが出てきます。
商品自体の欠陥や破損、商品の説明が不十分なため起こること、または従業員の電話や接客対応の悪さ、はたまた社内での報告・連絡・相談ができていない、現場でもミスが上司に伝わっていなかったなど、クレーム発生理由は実に様々です。


クレームは、通常、日々行われている商売のやり方であなたのお店の経営システムの欠陥や矛盾点を間接的に教えてくれています。

クレームには2つの要因があります。

1、商品の不調に対する不満。
2、従業員の態度への不満。

クレームは、自分の性格上の欠点を他人からはっきり指摘されたのと同じで、誰でも気分がいいものではありません。さらにクレーム処理は余計な仕事とか面倒な仕事を思われていますので、どうしても対応が遅れがちになることがあります。
しかし、これを放置しておくと、お店への損害は計り知れません。

ある焼き鳥屋でのこと

・・・以前、こんなことがありました。

11月の連休のある日、駅前にある全国チェーンの焼鳥屋へ行きました。カウンター形式で20席ほどの店内は席に近い状態でした。
席に着くと「飲み物は何にしますか?」とアルバイトの若い男性が注文を取りに来ました。
私はビールや焼き鳥を数点ほどお願いしました。

しばらくして、食事も進み、注文した料理がすべて出てきたのか?と、伝票を確認したら1皿だけまだ出てきていないことに気がつきました。
「すみません。注文した、この料理がまだ出ていませんけど・・・」と、私がメニューをさしながら店長らしき店員に伝えると、伝票の確認もせず、「もう全ての料理を出しましたよ」とぶっきらぼうな返答してきました。

私の間違いかもしれないなと思い「そうですか。じゃいいですよ。」と手を振りながら言うと、店員はカウンターまでやってきて、
「お客さんの食べた焼き鳥の串の数を数えましょうか?」と言い出し、「どちらが正しいのか、はっきりさせようじゃないか!」というような、店員の態度にとても違和感を覚え、最悪の気分で会計を済ませてお店を出ました。

レジを担当する人、商品を並べる人、パートやアルバイト、正社員に関わらずお店で働く一人一人がお客さまから見ると「お店の人」となります。


お店の人がお客さまに対して、どのような態度で接してきたのか、その一つ一つの行動が、お店の評判となるのです。

最近では、インターネットでの口コミ評価などを多くの人が活用し、来店する動機付けの大きな要因のひとつとなっています。
良いことも悪いことも、お店の評判は一気に広がっていきますから注意しなければいけません。

自分のお店にとって不利になることでも、あえて承諾し、快く対応したならば、お客さまの印象はきわめて良くなります。こうするとお客さまに強いプラスイメージが蓄積されます。

・・・ある住宅設備機器メーカーでは。

私は、8年前に新しい家を建てました。
ある時シャワーを浴びていたら、シャワーヘッドが「ストン!」と落ちました。落ちたシャワーヘッドを留め金でホースに取り付け、シャワーフックに差し込みましたが、また「ストン!」と落ちてしまいました。ネジがゆるくなったのか?と思い、メーカーへ連絡したところ、「おかしいですね。そんなところがゆるくなることはありません。どなたかぶら下がったのでしょうか?」
と担当者に訊ねられました。

小さな子供でもいれば、そうしたことも考えられるかもしれません。
しかし、私の家庭はみんな大人でぶら下がることはあり得ないと話しました。

すると、「調査してみなければわかりませんが、浴室の壁からユニットを取り外し、全て取り換えになるかもしれません。保障期間内ですが場合によっては有料になります」と、担当者からの説明がありました。
一番近くの営業所が対応してくれる段取りでしたが、対応が遅くてイライラしたことを覚えています。

それから数日後のことです。
トイレのウォシュレットが故障しました。モーターの動く音はするのに、水が出ません。
前社とは違うメーカーです。

メーカーへ連絡したところ、「すぐに対応いたします」と、私を疑うことなく、質問もなく、全面的に受け入れてくれました。
「ありがとうございます」と言って、電話を切ろうとしたその時、「他に何かお困りごとはありませんか?」と、担当の方から質問されました。

私は「他に???困りごと???何かあったかな?」と考えると、思い出しました。
「あっ。そうそう。故障ではないのですが、便座の塗装が一部はがれているのですが・・・」と言うと、「かしこまりました。メーカー保証期間内ですので無料で交換いたします」と約束した日に担当の方が新しい便座に交換してくれました。

新しい便座に取り換えてもらったら、トイレがピカピカに見えて何だか嬉しくなりました。


電話での対応の良さと、素早く動いてくれたことに大変満足しました。

「次にリフォームする時は、このトイレはもちろんのこと、バス、キッチンなどの住宅設備機器はこのメーカーのものにしよう!」と強く思いました。
クレーム対応の後に「他に何かお困りごとはありませんか?」の一言が満足度を引き上げました。

積極的にクレーム対応することで、顧客の満足度は高まるのです。
また、クレームはお店の現状を客観的に知ることができる有力な情報でもあるので大切に扱わなければなりません。

クレームには、お店をより良くするためのヒントが潜んでいるのです。

クレームを経営改善のチャンスと考えて、多いに耳を傾けるようにしましょう。

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投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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