今回は、地域密着型の工務店が「ちょっと困った」リストを活用して受注や紹介を増やす取り組みについてお伝えします。定期的な顧客訪問を通じて、ちょっとした困りごとをリスト化し、顧客のニーズに迅速に応えることで、リピートや新規の紹介を促進する方法とはどのようなものか、詳しく解説します。
目次
ランチェスター戦略で差をつける
「安定した受注ができないのでいつも不安に感じています」
こういった相談は少なくありません。
先日も「お金を掛けずに受注を増やす方法」があれば教えてほしいとセミナー担当者から依頼をいただきました。
ランチェスター戦略には1位集中の原則というルールがります。
自分の強みを最大限に生かし、その分野で圧倒的1位を目指す差別化戦略です。
つまり、ライバルと差別化するためには、自社近隣のエリア内にお客を集中してつくることができれば、利益性がとても良くなる考え方です。
経営を安定させるには、新規顧客の集客に偏らず、OB顧客との関係性を深めて、リピート受注や友人や知人を紹介してもらうための対策が何より大事になります。
「ちょっと困った」から見つかるチャンス
そこである工務店では、顧客の定期訪問を計画的に行っています。
訪問の目的は、売り込みではありません。
「お客さまが安心して暮らせることを考え、定期的に伺うようにしているんです」と社長は言います。
顧客の暮らしを守るため、訪問時にお客さまとのさりげない会話の中から「ちょっと困った」を感じ取って、リスト化しています。
困り事がカンタンなことであれば、その場で対応することもあります。
お客さまからは「電話をかけて、わざわざ言うほどでもないんだけど、タイミング良く来てくれるので助かっています」と大変喜ばれています。
OB顧客との絆が生まれる仕組み
この工務店が行っている取り組みをまとめてみましょう。
1.お客さまの暮らしを定期的に観察すること。
2.会話の中から、お客さまの暮らしの変化を感じ取ること。
3.ちょっと困ったことがあればメモして、翌日、会話の内容は社内で共有する。
顧客訪問はパトロール
ライバルからお客さまを守るための取り組みです。
お客さまから出る「ちょっと困ったリスト」は、お客さまに喜ばれ、経営を安定させる強い基盤となっているのです。
顧客訪問はお客さまとの関係を深めるための取り組みであるとともに、リピートや紹介を得る最良の方法となっています。
この事例からわかるように、地域に根ざした工務店が持続可能な成長を遂げるには、売り込みではなく、顧客の生活に寄り添ったサービスを提供することが重要です。
定期訪問、コミュニケーション、リスト作り、そして顧客のニーズに合わせた迅速な対応。
これらが結集した結果が、顧客満足度の向上、そして売上げと利益の最大化へと繋がるのです。
こうした取り組みは工務店に限らず、あきない道場では、製造業やメンテナンス業などあらゆる業界で活用し、成果を上げています。
さぁ今日はここまで!
私の経験や知識、考えが、あなたの人生に少しでも影響を与えることがあるのであればこれほど嬉しいことはありません。
本日もお付き合いくださり、ありがとうございます。
投稿者プロフィール
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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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