小さなお店繁盛店の法則

小さなお店繁盛店の法則

顧客理解を深めるためには?

今回は、お客さま対応で1番を目指す!をテーマにお伝えします。

小さなお店を繁盛店にするためには?

あるベーカリーショップのシェフが、

「私は、どうやったらもっと 美味しくパンが焼けるのか!いつもそのことばかりを考えて 仕事をしていました。パン作り以外の仕事は、とにかく効率的にやらなければ いけないと思い、レジ係にはお客さまと話している時間があれば、「もっと早くパンを袋に入れるように指導していました。」

「いかに効率よく作業をするか…ずっとそうした考え方でいました。」
「美味しいパンさえつくっていれば、 繁盛店になれると思っていました。」


と話してくれました。

「どこにも負けない、地域で一番美味しいパンづくりをしたい!」という気持ちは大切です。
しかしお客さま対応に力を入れていないことが気になります。
「美味しいパンをつくれば売れる!」
「良いモノをつくれば店は繁盛する!」

・・・本当に、それだけでいいのでしょうか?
・・・良いモノをつくれば売れる?

次の事例から、考えてみてください。

先日、社内の勉強会でお客さま対応について話をしていました。

「あのお店から二度と買いたくないと思った体験はありませんか?」
と聞くと、堰を切ったようにスタッフが話し始めました。

「先日、あるベーカリーレストランへ 行きました。ランチセットでスパゲティにクロワッサンが付いているメニューがあったので注文しました。
しばらくすると店員さんが 私のところへ来て、『申し訳ございません。先ほどご注文いただいたクロワッサンが品切れになっております。すぐにつくりますので、焼き上がった頃にお持ちしますね』と言ってキッチンへ戻りました。

しばらく経っても持ってきてくれないので、「まだ焼けていないのですか?」とレジにいた別の店員さんに聞きました。
するとその店員さんは、『なにか証明するものがありますか?』と言いました。

私はその言い方と態度にびっくりしたのと同時に怒りがこみ上げてきました。
『私がウソをついて、だましているとでも思っているのですか?』

と言いたくなりましたが、我慢しました。
あのお店には不信感でいっぱいです。もう二度とあのお店へ行くことはありません。」
と話していました。

お店の利益はいつどの瞬間に発生する?

お客さま対応の改善に取り組むためには、まず、利益がどういうときに生まれるのか、これを改めて考え直してみる必要があります。
利益が発生するのは、お客さまのお金と販売する商品を交換した瞬間です。

お客さまは、商品の対価としてお金を支払うので、売る側から見ると商品が良ければお客さま対応は関係ないように感じます。
しかし、人間は自分を認めてもらいたい、自分を大事にしてもらいたいという、強い自尊本能を持っているので、お客さま対応はとても重要です。

「商品の品質や性能の満足度 ✖ 売る側の態度や対応の満足度」

商品の品質や性能の満足度、売る側の態度や対応の満足度はかけ算ですから、両方とも一定水準を上回る必要があります。
しかし成果を早く出すには、優先順位をつける必要があります。

お客さま対応のレベルを高める

商品の競争力を高めるためには、新たな設備の増強や人材の増員など資金が必要となり、競争条件が不利な小さな会社には負担になります。
それに比べてお客さま対応のレベルを高めるのに特別な資金は必要なく、現在働いているスタッフで取り組みことができるので、競争条件が不利な会社はお客様対応のレベルを高めることを優先すべきです。

出張先のある町で生活用品から日用雑貨、またプロが利用するような特定業界向けの工具や資材を提供している専門店へ買い物に行きました。
エスカレーターに乗ると店員の男性が立っていました。

私は彼に、「紳士用の靴ヒモは何階にありますか?」と尋ねると「その商品は4階にあります」と即答してくれました。
私は、「これはすごい!」と思ったので「携帯のイヤホンは何階の売り場ですか?」と尋ねると「5階にありますよ」と、これまた即座に答えてくれました。

あまりに対応が良いので「この会社には何年ほど勤めているのですか?」と聞くと、彼は「この会社で8年間ほど勤めています」と教えてくれました。
さすがベテランの店員さんだと感じました。

私は靴ヒモを買うために、4階の売り場へ向かいました。
探していた靴ヒモを見つけたので、それを持ってレジに並びました。
レジ担当は女性で、名札には実習生と書いてありました。
意地悪かもしれないけれど、試しに問いかけてみました。

「あの~、携帯のイヤホンを探しています。売り場は何階ですか?」
レジ担当の実習生は、なんて答えるだろう?と思いながら、さっきベテランの店員さんにした同じ質問を投げかけました。

私のこれまでの経験では、「ちょっとお待ちください」と専用マイクを使い、上司や、売場責任者に確認したりして、レジ周辺で待たされることが少なからずありました。
しかし、その実習生はすぐさま「5階です」と私の質問に答えてくれました。

お客さま対応に力をいれている良い事例だと思いました。

スタッフ全員お答えできます!

通常、業務を行っていると、お客様が尋ねてくる内容は、概ね想定できます。

空港バス乗り場に近いカフェなら、「次のバスの時間は何時ですか?」
観光地のホテルなら、「地元でお勧めの和食店はありますか?」といった具合です。

しかし、全員が即座にお客様に答えられるかというと、そういう会社やお店は多くありません。
そこで、お客様からよく尋ねられることは、事前にリストをつくる。

次に同じことを何度か尋ねられたことは、みんなで話し合いその対応リストに付け加えるのです。
また、お客さまからよく尋ねられて答えることができなかったことを抽出してリストにし、一つ一つ
どのように対応すればいいのかをみんなで話し合い、リストをつくっていくと良いでしょう。

まとめたリストを、みんなで共有すれば、質の高いお客さま対応ができるようになります。


さぁ、あなたのお店もお客さま対応で1番を目指しましょう。

①事前に「よく尋ねられること」をまとめお客さま対応リストをつくる。

②「何度か尋ねられたこと」をリストに足し、定期的に更新していく。

③お客さまに尋ねられて「答えられなかったこと」があれば対応策をみんなで検討し、リストに足す。

みんなで話し合い、お客さま対応リストをつくりましょう。

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投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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