小さなお店繁盛店の法則

小さなお店繁盛店の法則

お客さまに喜んでいただくための感謝の表現方法と継続的にする仕組み作り

今回は、経営で一番難しい仕事は何か?をテーマにお伝えします。

経営で一番難しい仕事は何か?

経営で一番難しい仕事は、新しいお客さまを作り、そしてファンを増やすことです。
たくさんの人の中から、自社の商品やサービスに興味のあるお客さまを見つけ出し、実際に商品を買ってもらう仕事が一番難しいのです。

ケーキやパンなどモノをつくる仕事や経理の仕事ももちろん難しいです。
しかし、新しいお客さまを見つけて、商品を買ってもらうことに比べると比較にはなりません。

お客さまに商品を買ってもらいたいと思っても、買うかどうかを決めるのはお客様です。
お店から強制的に買ってもらうことはできません。

これは経営における絶対原則です。
実際にお客さまを作るために、チラシのポスティングやフリーペーパーの広告などといった営業活動をしてみるとよく分かります。

創業して3年目の飲食店がありました。
立地条件が悪い中、それなりに顧客数は伸びてきてはいましたが、数件先に大手チェーン店が開店した途端に客足が一気に遠のきました。

危機感を持った店主は、近隣の住宅へ生ビール無料券をつけたチラシを千枚持って、何時間もかけてポスティングして廻りました。
また、地域のフリーペーパーにワンドリンクサービスのクーポンを入れた広告を載せました。

しかしほとんど反応がありませんでした。


わずかながら来店してくれたお客さまも、大半がクーポンを目的にやってきたので、ほどんど再来店いただけませんでした。
利益が下がったうえにリピートもなければ困ったものです。

そこで店主は、新しいお客さまに費用や労力をかけるよりも「来店いただいているお客さまにリピートしてもらい、知人や家族を連れてきてもらえるにはどうすればいいのか?」を考えました。

手始めに、お客さまにアンケートをとりました。
すると、来店いただいているお客様の大半は、予想していた近隣の住宅ではなく少し離れた場所に住むファミリーの方が多いということが分かりました。

そこで、まず最初にカレンダーにお客さまの誕生日を書き込みました。
そして、忘れないようにスタッフみんなが見える場所に貼りだし、バースデーカードを贈るようにしました。

お客さまの誕生日を祝う

さらに、常連のお客さまには、お誕生日に直接スタッフが自らお花を届けるようにしました。
その他にも、小さなお子さまがいらっしゃる方には節分に合わせて、鬼の面と豆をプレゼントしたり、来店されたお料理好きの奥様には自作のレシピをお渡ししたり、お土産に千切りのキャベツを持ち帰っていただいたり、「お金をかけずに人に喜んでもらう」
ということを心がけました。

その結果、リピート率がぐんぐん伸びていき、一度来店いただいたお客さまが、友達や家族と一緒に来店してくれるようになりました。


この取り組みを行うようになってから、
「客層が変わって来ました。客単価が高くなったし、何よりも接客をしていて、こちらも気分がよくなるようなお客さまが増えました。」
と店主は手ごたえを感じています。

来店いただいているお客さまに喜んでいただくことに知恵を使う。
その方向性が結果に繋がっている良い事例です。

経営コンサルタントの仕事をしていると様々な業界の社長とお会いします。
その中には「我々の業界は大変だ」とか「この地域は不況で競争が激しい」とか「人がどんどん減って商売にならない」といろいろなことを言う社長がいます。
しかし、よくよく調べてみたら、やるべきことをやっていない会社が多いのが現状でした。
その結果、競争で負けて業績が悪くなっていたのです。

繁盛店の事例から学ぶ

あるおかき販売店では、三千円以上ご購入のお客さまに限り、「割れおかきなど特別販売の情報やお得なご案内をお届けしています。」
といって、お客様登録会員カードをおすすめし、住所とお名前を教えていただいています。

会員登録してくださったお客さまには、お得な情報はもちろんですが、感謝の気持ちとプライベートな一言を添えた手書きのお礼状ハガキを継続的に送付しています。
その仕組みをつくるためにこんな工夫をしています。

1.お客様情報をメモに残す

このお店では登録カードを記入していただく時に、ある質問をしてお客さま情報をメモに残しています。

例えば、
「今日は遠いところ、わざわざありがとうございます。お車でお越しですか?」
「この商品をお買い求めいただいた理由などありましたらお聞かせいただけませんか?」

といった質問をするのです。
お客さまからは、
「孫に逢いに行くから」とか「お見舞いに」といった購買動機を聞かせていただけます。
その時の会話をメモし、あとで顧客情報に記録しています。

2.ハガキにコメントを添える

お礼状ハガキにはお客さまに合わせた、個別のひと言コメントを書き添えています。
実はこのコメントがとてもお客さまに喜ばれています。

ひと手間を掛けることで「わざわざありがとう」と逆にお客さまからお礼状をいただくことも少なくありません。
ひと言を添えることで、お客さまの記憶に強く残すことができるのもハガキの効果です。

3.継続的に届く仕組みづくり

ハガキは、翌年からは年間4回お客さまにお届けることがルールになっています。
継続的なコミュニケーションを行うことで、お客さまとの関係づくりができると考えています。
そこで忘れないうちに4回分のハガキを書いて保存し、期日がきたら送付できるような仕組みにしています。

例えばこんな感じです。
お客さまに商品を買ってもらったその都度、お礼状を「パッ」と出す。
その後、4ヶ月ごとに手書きハガキを送付します。7月のお中元や11月のお歳暮パンフレット、DM発送の前に手書きハガキが届くような仕組みになっているのです。

1年間取り組んだ結果、ご進物やお中元、お歳暮などをお買い求めになるお客さまが前年対比で120%アップしました。

会社の中でいろいろな仕事がされていますが、本当に価値ある仕事は「お客さま活動」です。
会社で働く人たちの人間関係も大事です。また経理や資金繰りも必要です。
しかし、これらの仕事はお客さまをつくるための準備と後処理でしかありません。

経営の本質は「お客さま活動」にあります。

お客さまに好かれて、お客さまに気に入られて、お客さまに喜ばれて、お客さまに忘れられないようにする。
「お客さま活動」を熱心に取り組めば、お客さまの評判がよくなり、それにつれてお客さまの数も増えていきます。

集客力が弱いお店は、お客さまに商品を買ってもらったその都度、お礼状を「パッ」と出すことからはじめてみてはいかがでしょうか?

①登録カード記入時に「お客さま情報」を残す。

②お礼状ハガキにコメントを添える。

③お客さまに継続的にハガキをお届けする。

一年間取り組んだ結果、ご購入実績アップ

お客様に喜んでいただくためにはお客さま情報が必要です。

情報を集めるためにどのような取り組みをしますか?

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投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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