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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

社員教育の前に必要なこと|会社を元気にするOSづくり

今回のお話は、

「社員が育つ会社の文化風土を育成するOSづくり」

についてです。

私は長崎県対馬でビルメンテナンスサービス事業を行う企業で、話し方セミナーの企画・運営・講師を担当しています。

話し方セミナーという名前を聞くと、

プレゼンテーションの技術を学ぶ場。

人前で上手に話せるようになる場。

そんなイメージを持たれるかもしれません。

もちろんそれも大切です。

しかし、この研修で本当に伝えているのは、話し方だけではありません。

・自分の考えを言葉にする力。

・相手の話を理解する力。

・仲間を認める力。

・時には応援してもらう関係。

研修という「場」をつくり、学び、体験を積み重ねによって、仲間に受け入れられる実感を得て、少しずつ話すことに自信を持ち、自ら考え行動するようになるのです。

そして、その「場」をつくることこそが、人材育成の第一歩なのです。

今回の話し方セミナーでは、そんな会社の土台づくりにつながる学びを紹介したいと思います。

聞いてもらえる場があること

それではよろしくお願いします。


理解してもらえる話し方を学ぶ

今回の研修では、まず

「理解してもらえる話し方」

について伝えました。

オープニングのワークショップです。

私は参加者の皆さんに、

流れ星、家、池、アヒルなどを言葉だけで説明し、その内容を絵に描いてもらいました。

すると、完成した絵は全員違うものになったのです。

同じ説明を聞いたはずなのにです。

ここから見えてくるのは、

「伝えた」と「伝わった」は違う

ということです。

例えば、「家を描いてください」と言うと、

平屋を描く人もいれば、二階建てを描く人もいます。

また、「星を描いてください」と言うと、

夜空に見える点のような星を描く人もいれば、

子どもが描くような★マークの星を描く人もいます。

私はみなさんに同じ情報を伝えたので、

どんな絵を描いても間違いではありません。

みんな違う絵になるのです。

なぜでしょうか。

それは、人それぞれ育ってきた環境が違うからです。

住んできた地域も違います。

経験してきたことも違います。

学んできたことも違います。

つまり、一人ひとり頭の中にある「家」や「星」のイメージそのものが違うのです。

だから同じ言葉を聞いても、受け取り方は変わります。

仕事の現場でも同じです。

「いつものようにお願いします」

「これぐらい分かるだろう」

「前にも説明したよね」

こうした言葉の裏には、自分の頭の中の絵があります。

しかし相手の頭の中には、全く違う絵が描かれていることも少なくありません。

コミュニケーションとは話すことではなく、

相手の頭の中に同じ絵を描いてもらうこと。

今回のワークは、その大切さを改めて教えてくれました。

相手が理解できるように伝える努力が必要なのです。


話し方以上に大切な「聴き方」

そして今回の研修で、もう一つ大切にしたのが

聴き方

です。

参加者同士で「思い出に残っている出来事」を互いにインタビューをして

引き出してもらうワークを行いました。

いつの出来事だったのか。

なぜそれを選んだのか。

どんな気持ちだったのか。

一番印象に残っていることは何なのか。

質問を重ねることで、

本人も忘れていた記憶が引き出されていきます。

私は以前から、

人は質問によって成長する

と思っています。

質問されることで、

自分でも気づいていなかった考えが言葉になるからです。

今回も、

「そういえば、そんなことがあった」

「実はあの時、こんな気持ちだった」

という場面が何度もありました。

聴くということは、

ただ耳で聞くことではありません。

相手に関心を持つことです。

相手の人生や価値観に興味を持つことです。

だから良い質問は、

相手の中に眠っている思いを引き出してくれるのです。


思い出の品が人生を語り始める

今回の研修のテーマは、

「思い出の品を使ったプレゼンテーション」

でした。

ある方は、娘さんのソフトテニス優勝盾を持ってきてくださいました。

仕事が終われば練習に付き合う。

休日は家族でコートへ向かう。

お兄ちゃんが指導役となり、時には兄妹げんかになることもあったそうです。

そんな日々を積み重ねた先にあった優勝。

その時、娘さんが渡してくれたのが、その優勝盾でした。

また別の方は、17年間使い続けているペンチを持ってきてくださいました。

初めての現場で火花が飛んだこと。

自分の手に合う工具を探し続けたこと。

数々の現場を共に乗り越えてきたこと。

そのペンチは単なる工具ではありません。

仕事人生を共に歩んできた相棒でした。

他にも、

親友との別れの日にもらった時計。

恩人からいただいた名刺入れ。

亡き父と偶然同じものを選んでいた時計。

どの発表にも、その人らしい人生の物語がありました。

私は改めて感じました。

思い出の品を手にすると、

その時の場面が浮かびます。

その時の仲間との会話が思い出されます。

その時の感情が心の奥に鮮明に蘇ります。

だから言葉に熱が入るのです。

嬉しかったこと。

悔しかったこと。

感謝したこと。

支えられたこと。

それらが自然と話の中に表れてきます。

さらに展示物には大きな力があります。

言葉だけでは伝わりにくいことも、

実物があることで一瞬で伝わる。

優勝盾を見れば努力の日々が伝わる。

使い込まれたペンチを見れば職人としての誇りが伝わる。

時計を見れば、その人との思い出を想像することができる。

展示物は、

言葉だけでは届かない部分を補ってくれるのです。

そして聞き手にも変化が起こります。

発表を聞くことで、

その人の背景を知る。

どんな人生を歩んできたのかを知る。

何を大切にしているのかを知る。

普段一緒に働いていても知らなかった一面に触れることができます。

すると不思議なことに、

相手への見方が変わります。

理解が深まります。

親近感が生まれます。

そして信頼関係が育っていきます。

私はこうした時間こそ、

会社にとってとても大切だと思っています。

なぜなら、

人は理解されたときに安心し、

認められたときに成長するからです。

思い出の品を通じて人生を語る。

その話を仲間が真剣に聞く。

そして拍手を送り、感想を伝える。

この積み重ねが、

お互いを認め合う文化を育て、

心理的安全性を高め、

社員が自分の考えを話し始める会社へとつながっていくのだと思います。


人は聞いてもらうことで変わる

発表が終わるたびに拍手が起こります。

「良かったですね」

「そんな思いがあったんですね」

「初めて知りました」

そんな感想が自然と飛び交います。

誰も否定しません。

誰も評価しません。

ただ聞くのです。

笑顔で聞く。

うなずきながら聞く。

時には一緒に笑う。

そして最後に拍手を送る。

私は発表者の表情を見ていました。

最初は緊張していた人も、

話し終わる頃には柔らかい表情になっています。

照れながらも、

どこか嬉しそうなのです。

それはきっと、

「聞いてもらえた」

という実感があるからだと思います。

私は長年、人材育成の現場に関わっていますが、

人は話すことで成長するのではなく、

聞いてもらうことで成長する

と感じています。


自己肯定感は受け取ってもらうことで育つ

最近は自己肯定感という言葉をよく耳にします。

私は自己肯定感とは、

受け取ってもらえた実感

だと思っています。

自分の話を聞いてもらえた。

自分の思いを受け止めてもらえた。

自分の存在を認めてもらえた。

その積み重ねが、

自己肯定感につながるのではないでしょうか。

会社の中では、

仕事の話はします。

報告もします。

連絡もします。

しかし、

自分自身の体験や思いを語る機会は意外と少ないものです。

だから今回のような場に価値があるのだと思います。

思い出の品を探す。

思い出を振り返る。

言葉にする。

聞いてもらう。

認めてもらう。

この一連の流れそのものが、

自己肯定感を育てているのだと感じました。


話す時間より、聞く時間の方が長い

今回の発表時間は一人2分でした。

しかし、

自分が話す時間は2分でも、

仲間の話を聞く時間は人数分あります。

つまりこの研修は、

話す練習であると同時に、

聞く練習でもあるのです。

実際に今回、

私自身が驚いたことがありました。

若いスタッフに、

「今の発表を聞いてどう感じた?」

と尋ねました。

すると、

「高校生向け採用イベントで自分が話すとしたらどう伝えるか」

「聞いている高校生は何を感じるのか」

そんなことを考えながら聞いていました。

と話してくれたのです。

私は驚きました。

以前の彼なら、

そこまで自分ごととして考えることはなかったからです。

しかし今回は違いました。

研修を聞きながら、

自分の仕事に置き換えて考えていたのです。

私はそこに大きな成長を感じました。

本当の学びとは、

知識を覚えることではなく、

自分ごととして考えられることなのだと思います。


話し方教室は社内文化と風土を育てている

今回の研修で特に印象に残ったのは、

対馬ビルサービスの社長の言葉でした。

社長は、

「私は話し方教室を会社のOSのようなものだと思っています」

と話されました。

採用活動も。

若手社員の企画も。

マーケティング活動も。

新しい取り組みも。

すべては土台があってこそ動きます。

その土台となるのが、

社内文化であり風土です。

社員が話す。

仲間が聞く。

認める。

拍手を送る。

受け止める。

こうした積み重ねが信頼関係をつくり、

会社の文化になっていくのだと思います。

そして社長が特に印象に残ったと話されていたのが、

発表後の振り返りの時間でした。

グループごとに集まり、

発表を聞いて感じたことを語り合う。

相手の話を受け止めながら、

自分の考えを伝える。

その姿を見ながら社長は、

「よくここまで育ったな」

と感じたそうです。

以前であれば、

自分の意見を言うことが苦手だった社員もいました。

人前で発言することをためらう社員もいました。

しかし今では、

仲間の発表を真剣に聞き、

自分の感じたことを言葉にし、

相手の意見を受け止めながら対話しています。

私はその姿を見ながら、

話し方教室で育っているのは、

話し方ではないのだと思いました。

自分の考えを持つ力。

自分の言葉で伝える力。

相手の話を聞く力。

仲間を認める力。

そして、

安心して発言できる関係性です。

今回の対馬話し方教室を通じて、

改めて感じました。

社員が育つ会社とは、

話し方が上手な会社ではありません。

お互いの話を聞き、

受け止め、

認め合える会社です。

話し方教室は、

そのための社内文化と風土を育てる場なのだと思います。

(対馬話し方セミナーより)

人材育成・社内文化づくりをご検討の方へ

話し方教室は、話し方を学ぶだけの研修ではありません。

社員が自分の考えを言葉にし、仲間の話を聞き、認め合う文化を育てる取り組みです。

「社員がもっと主体的に動いてほしい」
「若手社員に自信を持ってほしい」
「社内のコミュニケーションを良くしたい」

そんな課題をお持ちの企業様は、お気軽にご相談ください。

御社に合わせた人材育成・社内文化づくりのお手伝いをしています。

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投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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