大阪城の石垣から学んだ“戦略が見える”という話
今回のお話は、
「言葉を知ることで、見える世界が変わる」
ということについてです。
実はこれは、経営でも同じだと考えています。
頑張っている。
真面目にやっている。
社員も一生懸命働いている。
それなのに、なぜか成果が安定しない。
そんな会社ほど、
“見えていないこと”
が多々あります。
今回は、大阪城で子どもたちと体験した出来事を通して、
なぜ中小企業に「戦略」という言葉が必要なのかについてお話したいと思います。

それでは詳しくご紹介します。
目次
石垣が“見える”ようになった子どもたち
先日、休みの日に、小学生の子どもたちと、オーストリアから来た留学生と小学生2人とご両親、若者2名と一緒に大阪城へ行きました。
ただ大阪城へ行くだけでは、正直、子どもたちにとっては面白くありません。
せっかくなら、
「見える世界が変わる体験」
をしてほしいと思いました。
石垣フェチの私は、楽しんでもらいたいと思い、
ある“言葉”を教えました。
それが「算木積み(さんぎづみ)」です。

大阪城の石垣には、角が崩れないように積まれた特殊な積み方があります。
私は事前に動画や資料を見てもらい、
「これを算木積みって言うんやで」
と子どもたちに話しました。
そして実際に大阪城へ行きました。
すると、子どもたちは急に走り出して、
「あっ!これも算木積みや!」
「こっちも!」
「おっちゃん、あれも算木積みや!」
それまで何度も石垣を見ていたはずなのに、
興奮して私に教えてくれました。
“算木積み”という言葉を知らなかった時には、
石垣はなんとなく見えていたかもしれません。

しかし、言葉と意味を知ったことで、
その世界が急に現れ始めたのです。
私は、その姿を見ながら改めて感じました。
人は、言葉と意味によって世界を認識しているのだと。
「言葉」がなければ、存在していても見えない
「言葉を知る」ということは、
単なる知識を得るということではありません。
それは、
“思考そのもの”
を手に入れるのだと私は思っています。
言葉があるから、人は認識できる。
意味を知るから、人は理解できる。
逆に言えば、
言葉を知らなければ、そこに存在していても見えないのです。
子どもたちにとって、
それまでは石垣はただの石でした。
しかし、
「算木積み」
という言葉を知った瞬間から、石垣の見え方が変わった。

つまり、
言葉が世界を見えるようにしたのです。
これは、経営もまったく同じだと感じています。
頑張っているのに成果が出ない会社の共通点
私はこれまで、多くの中小企業の経営者と向き合ってきました。
その中で、非常に多い相談があります。
それが、
「頑張っているのに成果が出ない」
という悩みです。
技術もある。
社員も頑張っている。
営業もしている。
それでも、利益が残らない。
なぜなのでしょうか。
私は、その原因の一つは、
“見えていない”
ことだと思っています。
例えば、
- なぜいつも価格競争になるのか
- なぜいつも価格をたたかれるのか
- なぜいつも他と比べられるのか
- なぜ利益がのこらないのか
これらは、ただ頑張っているだけでは見えません。
「戦略」という言葉を知ると、現状がより鮮明に見えるようになるのです。
ランチェスター戦略は「経営を見えるようにする考え方」
朝から現場へ行く。
昼から営業へ回る。
夕方戻ってきて見積をつくる。
夜になって、
ようやく事務仕事。
中小企業の社長は、本当に忙しい。
しかも、その合間に、
- 社員の相談
- クレーム対応
- 採用
- 資金繰り
- 業者との打ち合わせ
まで入ってくる。
そうすると、
「何を優先したらいいのか分からない」
という状態になりやすいのです。
頑張っている。
でも、
利益が残らない。
忙しい。
でも、
将来が見えない。
これは、
能力が低いからではありません。
“整理できていない”
だけなのです。
例えば、車を運転していても、地図がなかったら不安になりますよね。
「今どこ走ってるんやろう」
「この道で合ってるんかな」
「遠回りしてへんかな」
そんな状態になります。
経営も同じです。
毎日、一生懸命動いている。
でも、
- どこへ向かうのか
- どこで勝負するのか
- 誰に選ばれたいのか
が整理できていないと、
だんだん苦しくなってくる。
そこで必要になるのが、
ランチェスター戦略です。
例えば、
「業界客層戦略」
という言葉を知ると、
「うちは、誰に強いんやろう?」
と考え始めます。
例えば、
同じ“ボルトをつくる会社”でも、
- 食品加工機械メーカー向けなのか
- 流通業向け設備機器なのか
- 電気設備関連なのか
- 橋梁など大型建造物関連なのか
によって、
求められることが全然違います。
- 精度なのか
- 電気を通さない絶縁ネジ
- 小ロット対応なのか
- 緩まない安全基準
- 腐食しないさびないネジ
全部違う。
つまり、
「何を作っているか」
より、
「誰の、どんな困りごとを支えているのか」
の方が重要になってくるのです。
すると、
「うちは橋梁関係には強いけど、
食品機械は弱いな」
とか、
「うちは絶縁ネジの小ロット試作には強いな」
とか、
“自社の立ち位置”
が見え始めるのです。
また、
「地域戦略」
という言葉を知ると、
「なんで遠い現場ばっかり行ってるんやろう」
と気づくことがあります。
移動時間ばかり増えて、
利益が残らない。
近くのお客さんを増やした方が、
紹介も増えやすい。
そんなことが見えてくる。
さらに、
「顧客維持戦略」
という言葉を知ると、
「新規ばっかり追いかけてたけど、
今のお客さんとの関係づくりが弱かったんやな」
と気づくこともあります。
つまり、
戦略という言葉を知ることで、
“問題の正体”
が見えてくるのです。
経営というものは、本来見えません。
数字は見えます。
売上も利益も見える。
でも、
- なぜ選ばれているのか
- なぜ価格競争になるのか
- なぜリピートされないのか
は、見えにくい。
だから多くの会社は、
「なんとなく」
「経験的に」
「勘で」
経営を進めてしまう。
もちろん経験は大切です。
しかし今は、
- お客さまが変わる
- 市場が変わる
- 働く人が変わる
時代です。
だからこそ、
会社の中に、
「共通言語」
を持つことが大切になるのです。
「これは地域戦略の話やな」
「これは顧客維持の問題やな」
そんな会話が社内でできるようになると、
経営が整理され始めます。
つまり、
ランチェスター戦略とは、
“勘でやっていた経営を、見えるようにする考え方”
なのです。
戦略とは「経営の公式」である
私はよく、
「ランチェスター戦略は経営の公式です」
とお伝えしています。
例えば算数でも、
「三角形の面積」
には公式があります。
公式を知っているから、答えを早く導き出せる。
経営も同じです。
公式があるから整理できる。
公式があるから社員にも伝えられる。
特にこれからの時代は、
- 幹部育成
- 後継者育成
- 新人教育
が必要になります。
その時に、
「我が社は、どこで1位を目指すのか」
を言葉で説明できなければ、伝わりません。
逆に言えば、
社長の頭の中だけで経営している会社は、
社員が育ちにくいのです。
なぜなら、
“見えていない”
からです。
共通言語がある会社は強い
強い会社には、共通点があります。
それは、
社内に“共通言語”があることです。
例えば、
「これは地域戦略の話やな」
「このお客さまはAランクやな」
「これは顧客維持の問題やな」
という会話ができる。
すると、
判断スピードが上がる。
方向性が揃う。
社員教育もしやすくなる。
逆に、言葉がない会社は、
- 感覚
- 雰囲気
- 社長の経験
だけで話が進みます。
すると、人によって解釈が変わる。
だから、方向性がブレる。
だから、成果が安定しない。
私は、これからの中小企業に必要なのは、
「頑張ること」
だけではなく、
“見える化すること”
だと思っています。
経営は「見える化」できる
大阪城の石垣は、昔からそこにありました。
しかし、
言葉を知らなければ見えなかった。
経営も同じです。
あなたの会社にも、
まだ見えていない強みがあるかもしれません。
まだ見えていない客層があるかもしれません。
まだ見えていない戦い方があるかもしれません。
しかし、
言葉を知らなければ、
それは見えません。
まずは、
経営を“見える化”すること。
そこから、
戦略は始まるのです。
今回お話した内容は、
あきない実践道場「業界客層戦略」の講座でもお伝えしている内容です。
次回は、
「売上を伸ばす社長は、お客様をよく知っている」
というテーマで、
なぜ“聞く力”が経営を変えるのかについてお話したいと思います。
あきない実践道場のご案内
今回のブログは、
あきない実践道場 第4講「業界客層戦略」でお伝えしている内容の一部をご紹介しました。
あきない実践道場では、
- 「うちは誰に強い会社なのか?」
- 「どこの地域で勝負するのか?」
- 「なぜ価格競争になるのか?」
- 「どうすれば選ばれる会社になるのか?」
といった事業戦略を、
実践事例と共に体系的に学びます。
頑張っている。
でも、
利益が残らない。
忙しい。
でも、
将来が見えない。
そんな状態を、
“勘”ではなく、
“整理された戦略”
で見える化していく学びの場です。
- 経営を整理したい
- 社員と共通言語を持ちたい
- 自社の強みを明確にしたい
- 選ばれる会社になりたい
そんな方は、一度ご相談ください。
卒業式の見学や個別相談も行っています。
投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。



