徳川幕府御用達品にも認められた、麻織物の最上級ブランド「奈良晒(ならさらし)」
ランチェスター研修会社 NNAで内勤営業・インサイド営業の育成を行う藤原紀子です。
江戸時代の町屋が数多く建ち並んでいてとても素敵な奈良町へ行ってきました。奈良町を歩いていると、「奈良晒(ならさらし)」と呼ばれる、麻織物を扱ったお店が多くあります。
その奈良町の一角に、町家風の奈良市史料保存館がありました。奈良市内に残る古文書や歴史資料の収集、保管、公開などを行っており、この日はちょうど奈良晒の企画展示期間でした。早速入ってみました。
地誌や町記録などで、奈良晒のことが紹介されていました。また、スタッフの方が色々教えてくださいました。
奈良晒は近世奈良を中心に栄えた奈良の伝統産業です。
江戸時代の初めには360人の晒商人を数えたと言います。
室町時代の記録によると、寺院の注文により麻織物が行われていたこと般若寺村に晒屋(さらしや)があったことなどが分かってきたそうです。当時、真っ白に晒す技術が奈良にしか無く、独占状態でした。その白さは山に雪が積もったように見えたそうです。
″般若寺の辺り佐保川の水が清く、
この水で晒布を洗い、
佐保山の上に敷き、これを乾かす、
日にちが経つにつれて白くなり
佐保山は白雪が積もったようだ。″
白く染めてから、様々な色に刺繍を施した鮮やかなものもありました。
その用途は、武士や裕福な町人の裃(かみしも)や僧侶の法衣、女性の高級衣料など。
原料の青苧(あおそ)は東北から仕入れ奈良では、加工を行なっていました。
縦糸を作る人、横糸を作る人など細かく分業されていたそうです。
街の人たちが、それぞれの工程を担っていました。
分業制です!
″奈良曝に載る晒業者
※「奈良曝(ならざらし)」は、近世奈良町の地誌、案内書
・晒蔵方 28軒
・晒問屋 32件
・青苧問屋 6軒
・晒屋 24件
・晒数合わ(中買) 31人
・ぬきがせ問屋 14軒
・布中買 600~700人
晒蔵方は、布中買から生布(きぬの)を買い、晒屋に晒させ、晒数合(すあい)に渡して晒問屋に販売することを主な仕事にしていました。
晒問屋は、蔵方からの晒布、布中買が持ってくる生布の販売にあたりました。後に蔵方のほとんどが中買に転じ、晒問屋が中買から生布を買い集め、晒屋に晒させて販売するようになりました。
青苧(あおそ)問屋は原料の青苧を扱う業者、布もみ屋は生布の糊を落とすことを仕事としていたようです。″
奈良晒の生産工程も紹介されていました。
″晒し場と晒しの工程
①布の糊を水で洗って落とす。
②糊を落とした布を芝生の上に広げ、灰汁(あく)を打ちながら10日余り日光にさらす。
③大釜にいれて灰汁で炊き、日に干す過程を数回繰り返す。
④木臼でついて水で洗い、棚に並べて張干す。
晴天数十日を要する作業。″
南都随一の産業となった奈良晒
水の清い佐保川の恵みを生かし、地域のみんなで力を合わせた分業制でのモノづくりと流通システム
モノづくりへのこだわりを感じました。
そうして、できた奈良晒は、特定分野で一位になり、幕府御用達品にも認められる最上級のブランドとなったのですね。
分業制にすることで専門性を高め、品質と生産効率を向上させて特定分野で1位となったのですね。
幕府御用達品にも認められる最上級ブランドとなった奈良の伝統工芸 麻織物「奈良晒」
とても興味がわきました。
★奈良市史料保存館
奈良市脇戸町1-1
Tel.0742-27-0169
投稿者プロフィール
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ランチェスター顧客維持戦略「内勤営業育成講座」講師
インサイド営業・内勤営業育成コンサルタント
脳科学のプログラム「メンタルラボ」認定講師
自己成長のプログラム「宝物ファイル」認定講師
出身:島根県安来市、高校時代バレーボールで国体出場
趣味:古い街並み巡り♪
大阪商工会議所各支部、組合•団体、企業にてパソコン講座の講師を5年経験。
コンテンツ制作を担当したHPがNCネットワークのHPコンテストで最優秀賞を受賞。
2018年より内勤者がお客様づくりの仕組みをつくり営業を支援する「内勤営業育成講座:全10回講座」を企画開講し現在も継続中。
高槻商工会議所様、大阪産業創造館様、大阪労働協会 osakaしごとフィールド様、一般社団法人 住生活リフォーム推進協会(HORP)様にて研修を担当
内勤営業育成コンサルタント 藤原 紀子
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