今回は、中小企業の利益性が思わしくない原因の中でも大きな要因の一つと、業績をよくするための経営の絶対原則や考え方についてお伝えします。
目次
中小企業の利益性が思わしくない原因
中小企業の利益性が思わしくない原因はいくつもあります。その大きな要因の1つは、経営のやり方を間違えていることにあります。
経営のやり方を間違えていると、社員全員が間違った方法で取り組みことになるので、これは大変なことです。いくらがんばったところで、いくら努力したところで間違った方法ですから、会社の業績は良くなりません。
しかし競争条件の不利な会社でも正しい経営の原理原則を理解し取り組めば、利益性は良くなっていきます。そこで今回、経営の正しい考え方と取り組み方を事例を交えて伝えていきたいと考えています。
お客さま中心の経営
粗利益はお客さまからしか生まれない
私たち人間は、食事から摂るカロリーや栄養で生きています。会社も人間と同様に、必要な栄養を摂取しなければなりません。会社にとっての栄養は「粗利益」です。倒産しないため「必要な 粗利益」を一定して取り続ける必要があります。
人が働き、資源や技術を使って商品やサービスを作り、お客さまに提供してお金をいただきます。その結果、粗利益が生まれます。粗利益は、お客様からしか生まれないのです。
粗利益はお客さまからしか生まれないということから、経営の目的はお客さまづくりとなります。
お客さまをどのように増やしていくかが、経営そのものなのです。
では、商品を買ってほしいと思ったら買ってもらえるかというと決してそんなことはありません。
- 商品を買うかどうか?
- どこのお店から買うのか?
- だれから買うのか?
すべての決定権はお客さまが100%もっていて、売る側は0%なのです。お客さまがすべてを決めているのです。これは、経営する上で絶対原則です。例外はありえません。
すべての決定権を持っているお客様に商品を買ってもらうには、ライバル会社以上にお客さまから、「好かれて」「気に入られて」「喜ばれて」「忘れられない」ようにしなければなりません。
これをお客さま活動といいます。
この行動の結果が、業績の大半を決めるのです。
どの地域、どの業界にもライバルがいる
お客さまを増やしたいと思っているのは、あなたのお店だけではありません。多数の競争相手も同じようにお客さまに商品を買ってもらいたいと思っているのです。つまり、競争相手のことを抜きにして経営は考えられません。
お店で行われている仕事は、大きく3つに分けられます。
- 利益発生源のお客さま活動
- 競争相手と違いを明確にする差別化戦略
- お店内部で行われる内部活動
競争相手との違いを明確にする差別化戦略はお店の重要な仕事です。
また、商品をつくる仕事を除いて、お店の7割はお客さまに向けなくてはなりません。
こうするとお店の業績は最もよくなります。
経営で一番費用がかかるのは何か?
経営で一番費用をつかうのは、ふつう人件費だと言われますが、これは正しい考え方ではありません。不特定多数のお客さまを相手にする小売店で一番経費を使うのは「お客さまを見つけるための費用」であり、「見込み客に実際に商品を買ってもらう費用」なのです。
お客さまが商品を買うときにどこのお店より便利であり、またどこのお店よりも親切であり、お客さまが思っていること以上のサービスを提供し、お客さまに対して競争相手以上にコミュニケーションを投入すると、結果としてお客さまから好かれ、気に入れた、喜ばれ、忘れられないようになり、人間関係も良くなります。
一度商品を買ってくれたお客さまが、商品を継続して買ってくれるようになれば、それはお客さまが継続して見つかるのと同じになります。
つまり固定客です。
固定客が多くなれば、お客さまを見つけるための費用をあまり使わずに商品が売れますから、利益性は当然よくなります。さらにお客さまとの関係づくりがより良くなるとお客さまが別のお客さまを紹介してくれるようになるので利益性は格段によくなります。
お客さま視点ってどういうこと?
お客さまは常に選んでいる
お客さま中心で経営を考えると、とてもシンプルでわかりやすくなります。
「売上が下がった」とか「商品が売れない」というのは自社を視点とした考え方となっています。一方でお客様を視点とした考え方にすると、お客さまが経営の中心になります。すべての決定権はお客さまにあります。
こうしたことからお客様視点で物事を考える時、主語はお客さまになります。お客さまが私たちのお店を選んでくれた結果、売上げとなり利益がでるのです。お客さまが私たちのお店ではなく、他のお店を選んだので売上が落ちるワケです。どこのお店から買うのか?絶えず選んでいます。そう。「お客さまは選んでいる」のです。
経営を良くするためにはこうした顧客視点の考え方からはじめていくと良いでしょう。
- なぜ、お客さまは私たちのお店を選んでくれたのか?
- どのような理由で選んでくれたのか?
- 他社との違いがどこにあるのか?
- お客さまは何を求めて商品を買ってくれたのか?
その理由を考えることが何より大切です。
それが顧客視点となるのです。
お客さまの立場に立って考えるところに経営改善のヒントが潜んでいるのです。
お客さまは絶えず選んでいる!
お客さまの立場に立って考えてみよう
- なぜお客さまは私たちのお店を選んでくれたのか?
- どのような理由で選んでくれたのか?
- 他社との違いがどこにあるのか?
- お客さまは何を求めて商品を買ってくれたのか?
理由を考える・・・と、経営改善のヒントが潜んでいます。
あなたのお店がお客さまに選ばれている理由はなんですか?
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投稿者プロフィール
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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。