今回のお話は、
「何でもできます」ではなく、「○○専門」が選ばれる理由についてです。
(あきない実践道場38期第6講営業戦略より)
中小企業の場合、経営者や営業の方がの多くは、
「うちは何でも対応できます」
と言いトークの傾向が見られます。
「あれもできる」
「これもできる」
「こんな商品もある」
しかし、お客さまは本当に「何でもできる会社」を探しているのでしょうか。
今回は、私自身の体験をもとに、
- なぜ人は1番を選ぶのか
- なぜ専門家が選ばれるのか
- 専門特化するときに注意すべきことは何か
について詳しくお伝えします。

目次
8年間続けた治療の先に見えたもの
先日、あきない実践道場で、
ある工務店の社長がこんなお話をしてくださいました。
その社長の娘さんは、
2歳の頃に卵アレルギーが分かりました。
それから8年間。
家族みんなで治療に向き合ってきたそうです。
大晦日に年越しそばを食べて入院したこと。
卵白0.1gから始まった治療。
何年も1gの壁を越えられなかったこと。
それでも諦めずに続けてきたこと。
そして今年、
ついに10gまで食べられるようになったそうです。
私はその話を聞きながら、
治療の大変さ以上に、
あることに心を動かされました。
その先生は、なぜ選ばれ続けるのか
社長がお世話になっている病院は、
西日本でも有名なアレルギー専門の病院だそうです。
「ここで無理なら仕方がない」
そう思えるほどの専門病院です。
しかし社長が何度も話されていたのは、
病院の名前ではありませんでした。

先生の姿勢でした。
結果が出なくても、
「こんな方法があります」
「もう一度やってみましょう」
「新しい知見があります」
と寄り添い続けてくれたそうです。
私はその話を聞きながら、
専門家とは技術や知識の量で決まるものではなく、
「お客さまの可能性を信じ続けられる人」
なのかもしれないと感じました。
人は1番のところへ行く
あなたは、日本で2番目に大きい湖はどこか知っていますか?
すぐ答えられる人は少ないと思います。
つづいて・・・
日本で2番目に高い山はどうでしょうか。
これもなかなか分かりませんよね。
ちなみに、
2番目に大きい湖は霞ヶ浦。
2番目に高い山は北岳です。
しかし、
ほとんどの人は知りません。
なぜでしょうか。
1番の情報は伝わりやすいからです。
人は1番を覚えるからです。
そして、人は1番を選ぶからです。
アレルギー治療でも同じです。
「この分野なら一番」
そう思われるところへ人は集まります。
ビジネスもまったく同じなのです。
「何でもやります」が選ばれない理由
講座でもよくお話しする事例があります。
あるネジメーカーです。
「何が得意ですか?」
と聞くと、
「ネジなら何でもやります」
と答えます。
しかし、
お客さまは違います。
ゆるまないネジが欲しい人は、
「ゆるまないネジ専門」
を探します。
折れないネジが欲しい人は、
「折れないネジ専門」
を探します。
何でもできる会社ではなく、
自分の課題を解決してくれる専門家を探しているのです。
だから差別化は、
広げることではなく、
絞ることから始まります。
あなたは何専門ですか?
自分自身を何の専門家として定義するのか。
会社を何の専門会社として位置づけるのか。
ホームページも。
SNSも。
チラシも。
展示会も。
この専門性が伝わらなければ、
お客さまの目には止まりません。
反対に、
「この悩みならここ」
と言われる存在になれば、
選ばれる確率は大きく高まります。
専門特化にも条件がある
ただし、
専門化すれば何でも成功するわけではありません。
大事なのは市場です。
例えば、
大阪に業界で注目をあつめている「パン屋専門の税理士事務所」
があります。
しかし、もしパン屋さんが数軒しかない離島の島だったらどうでしょう。
専門性は高くても、
市場が小さすぎて商売にならない可能性があります。
つまり、
- 自社の強み
- お客さまの困りごと
- ライバルの状況
- 市場規模
この4つの重なりを見ながら専門性を決める必要があるのです。

ランチェスター戦略でいう差別化とは、
単なる思いつきではありません。
市場の中で勝てる場所を見つけることなのです。
まずはお客さまの声を聞いてみる
自分が何を売りたいかではありません。
お客さまが何に価値を感じているのか。
どんなことで喜ばれているのか。
そこに専門性のヒントがあります。
「うちは何屋なのか」
「お客さまから見ると何専門なのか」
まずは、
いつもお付き合いのあるお客さまに聞いてみてください。

案外、
自分たちが思っている強みと、
お客さまが感じている価値は違うものです。
その声の中に、
あなたの会社が1位になれる市場が隠れているかもしれません。
まとめ
中小企業が大企業と同じ土俵で戦う必要はありません。
むしろ大切なのは、
「何でもできる会社」ではなく、
「○○ならこの会社」と言われる存在になることです。
私が尊敬するアレルギー専門医の先生も、
専門性があったから選ばれたのではありません。
専門性を磨き続け、
患者に寄り添い続けたからこそ、
多くの人から信頼されているのです。
まずは一度、
「私たちは何専門なのか?」
を考えてみてください。
そこから差別化の第一歩が始まります。
最後に、
あきない実践道場では、受講生による卒業発表会を開催しています。
参加を検討されている方に限り、無料で見学いただけます。
実際に学んだ経営者の発表や成長の様子をご覧いただける機会です。
投稿者プロフィール

-
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。



