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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

「コンセプトづくりは、経営者育成の第一歩」展示会プロジェクトを通じて、後継者に“経営を体感”させる!

「今回の展示会は、ただの商品紹介ではない。これは“後継者育成の場”なんだ」

そんな思いで、私は今、5月23日に出展する大阪産業創造館での展示会「Web販促&デジタル活用展2025」の準備を進めています。
そして今回、その準備の中心に立つのは、4年後に事業承継する息子の佐藤大将です。

動画プロデューサーとして実績を積んできた息子と、コンサルタントとして現場支援をしてきた私、そして、チームNNAの仲間によるコラボレーションが、今、1つのプロジェクトとして動き始めています。


展示会から始まる、後継者育成というプロジェクト

「まずはコンセプトから考えよう」展示会への出展が決まったその日、私は息子にそう伝えました。

彼にとっては初めての展示会、そして私にとっては、事業の未来を彼と共有していく最初の大きなプロジェクト。今回の出展は、単なる“商品PRの場”ではありません。
私にとっては、それ以上に「息子に経営を体感させるための場」なのです。

展示会は、限られたスペースと時間の中で、来場者の心を一瞬で動かす必要があります。
誰に、何を伝えたいのか?
どんな人に立ち止まってもらいたいのか?
その“核”がなければ、どれだけ見た目を整えても、メッセージはぼやけてしまう。

だからこそ、コンセプトを決めることは、展示会の準備において最も重要な工程です。
私は何よりこの部分が重要なのだと考えました。


「誰の、どんな課題を解決したいのか?」

話し合いは何度も繰り返しました。
私は、これまで中小企業の採用や事業承継に関わってきた経験から「今の時代に必要な伝え方」「人が動くポイント」はある程度つかんでいます。

一方、息子はSNSや動画の世界で活躍し、40万人規模のYouTubeチャンネルや1万人超えのInstagramアカウントを育ててきた、発信のプロフェッショナルです。

その二人が、それぞれの視点から見た「本当に届けたい価値とは何か?」を突き詰めていく。
このプロセスそのものが、“経営思考”のトレーニングになっていると感じました。


「社長の願望」を伝えるという新しい発想

そこで生まれたのが、『社長の願望伝授動画』というコンセプトです。
これは、「社長の想いを動画で届けることで、共感してくれる人材との出会いをつくる」という、新しい採用戦略の形です。

動画を活用した採用手法はすでに増えていますが、私たちが大切にしているのは「願望”という切り口」。
理念やミッションではなく、「社長がどんな未来を望んでいるのか」を表現すること。
その願望に、心動かされて集まってくる人たちこそが、これからの会社をつくる仲間になるのだと、私たちは信じています。


コンセプトは「会社の未来を映す鏡」

展示会の準備でありながら、気づけば会社の未来、経営の本質、後継者としての覚悟。そんな深いテーマについて、父と息子が真正面から向き合う時間になりました。

「このコンセプトって、採用に困っている社長にどう届くだろうか?」

問いを共有しては深めていくことを繰り返しました。
展示会に向けてのこれからの2ヶ月間は、彼にとっては「自社の商品を展示出展する準備」ではなく、
「会社としての存在価値を定義する」時間になると思います。

そしてそれこそが、私が彼に経験してほしい“後継者育成の核心”です。

初めての“リーダー役”。その先にある学び

今回のプロジェクトで、彼にはリーダーを任せることにしました。

事前の戦略立案から、コンセプトづくり、展示会前のリストアップからストーリーDMへの展開、展示会ブースの企画・PR動画の制作やフォローの体制などを担当する役割を決めるなどから初めて行きました。そこに参加するのは、彼よりも年上で社歴も長いメンバーたちです。
それぞれの考えや経験、知識や意見をいかに一つの方向にチームをまとめていくか?

これは、後継者にとって避けて通れないテーマです。

私はこれまで多くの会社で「後継者の課題は人間関係」と聞いてきました。
特にベテラン社員や経営幹部との距離感、指示・お願い・尊重のバランス。

その体験を、実践として味わえるのが今回のプロジェクトなのです。


目標を定め、役割を決める。リーダーシップの型を体得する

プロジェクトの初期段階で、彼と一緒に次の3つのことを整理しました。

  1. ゴールの明確化(何をもって成功とするのか?)
  2. 役割分担の設計(誰が、どの分野を担当するのか?)
  3. 心理的安全性の確保(発言・提案しやすい空気をどう作るか?)

この3つは、まさに今の経営に欠かせない要素であり、
後継者が最初に身につけるべき「チームづくりの基本」です。

チームが“ただの集まり”ではなく“プロジェクトチーム”になるには、明確な目的、対話の場、信頼関係が必要です。
彼がその設計者として動いている様子を見て、私も内心ワクワクしています。

事業承継
事業承継に想いを伝える

「個性を活かす」ことこそが、次世代のリーダーの条件

リーダーとは指示を出す人ではなく、チームの力を引き出す人です。

特に中小企業では、「人材力=組織力」。
つまり、社長がいかに一人ひとりの個性や能力を引き出し、結びつけていけるかにかかっています。

彼は今回、自分よりも経験豊富なスタッフたちの中で、
それぞれの得意を活かしてプロジェクトを動かすという課題に向き合っています。

  • ランチェスター戦略が得意な顧問
  • 内勤営業の育成や広報の得意な人
  • 顧客管理や対応が得意な人
  • 就職して1年目の社会経験が浅い人
プロジェクトチームの役割

こうしたキャリアや個性をどう配置し、どう信頼を得ながら進めていくか。
これはまさに、将来の経営者としての器が試される場面です。


そして、コンセプトは“願望”から始まる

このプロジェクトの起点になったのが、彼と共につくってきた還暦社長というコンセプトの動画です。そこから「社長の願望を動画で伝える」という発想になっていきました。

いま、世の中の中小企業が求めているのは“共感される会社”になること。
どれだけ給料がよくても、制度が整っていても、「この社長と一緒に働きたい」と思わせる力には敵いません。

私たちはこれまで、「条件型採用」から「共感型採用」へと時代が変化してきたことを目の当たりにしてきました。だからこそ今回、私たちは「想いを伝える」ことから「採用と事業承継を見直そう」と決めたのです。


後継者育成の最大の学びは「現場の中」にある

教科書では学べないこと。
マニュアルには書けないこと。
それはすべて、“リアルな実践”の中にあります。

今回の展示会プロジェクトは、まさに彼にとって「初めて経営の現場に立つ経験」になるでしょう。

一人で考えるのではなく、チームで考える。
全員の力を借りて、一つのアウトプットを創る。
そして、自分の言葉で、想いを語る。

仕事を通して何を実現したいのか?

こうした経験の積み重ねが、リーダーとしての器を育てていくのだと、私は確信しています。


最後に

後継者育成とは、「任せること」でも「指導すること」でもなく、志を明確にすること。そして「仲間と共に動き、体験させること」だと私は考えます。

今回の展示会出展は、その最初のステージです。
これからの時代を担う次世代の経営者が、「人を巻き込み、価値をつくり、想いを伝える」ためのプロセスを、私は親として、経営者として、見守っていきたいと思います。

そしてこの私たち体験が、同じように後継者育成に悩む中小企業の経営者のヒントになれば嬉しい限りです。

経営のご相談は、お問い合わせフォームよりお願いします。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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