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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

工務店経営者が今すぐ見直すべき戦略について

戦略転換の本質

先日、北陸で大手住宅資材メーカーおよび販売会社グループより、講演の機会をいただきました。

講演前に、住宅資材販売会社の社長から興味深い話を伺いました。

「同じ商品を扱っていても、業績を伸ばしている工務店と、苦戦している工務店の二極化がかつてないほど進んでいる」というのです。

興味をもったので、現場のリアルな話を聞いてみました。

その対話から見えてきた、私自身の気づき、そして「戦略転換の本質」についてお伝えします。

大手住宅資材メーカーと販売店での営業マン研修
大手住宅資材メーカーと販売店での営業マン研修(北陸にて)


 変化した市場と「買えない」現実

現在、資材価格の高騰や物価高の影響が起きています。

その結果、地域密着の工務店さんが、
これまで主力としてきた客層の購買意欲や予算感に大きな変化が起きています。

従来なら購入いただけた価格帯の住宅が、買えなくなってきているのです。
検討そのものが止まってしまうケースも、少なくありません」との話が増えてきています。

小さくても強い工務店が、確実に増えてきている。

しかし、その一方で社員5名程度の規模でも、地域密着で年商3億円・過去最高益を更新し続けている工務店があります。

その共通点は、単に「売り方」を変えたのではなく、ターゲットとする「客層」と「土俵」を戦略的に変えていることに大きな要因があると考えています。

こうした会社は、決して特別な商品を持っているわけではありません。

では、なぜ強いのか。

それは、リフォーム激戦区での「土俵の変更」

今、リフォーム市場には大手ビルダーも続々と参入し、激しい競争が繰り広げられています。

単なる設備の交換や、価格で比較されるリフォームの土俵では、地元工務店は消耗するばかりです。

そこで、業績を伸ばしている工務店が注力しているのが、これまでに培った技術力を活かした「高付加価値なリノベーション」です。

価格の安さを求める層ではなく、今の住まいの価値を高め、理想の暮らしを再生したいと願う「上位の客層」へシフトする。

大手には真似できない、一軒一軒の暮らしに深く踏み込んだ「知恵」を売る土俵へ移動しているのです。

「商品」から「関係性」の時代へ

モノが溢れ、スペックでの差別化が難しくなった今、お客さまは「商品そのもの」ではなく、
その会社と関わることで得られる「体験」や「信頼」で選ぶようになっています。

特に上位の客層ほど、自分たちの想いを汲み取り、形にしてくれる「顔の見えるパートナー」を求めています。

地域に根ざし、逃げ隠れできない立場で、誠実に家づくりをしてきた地元工務店にとって、この「信頼」こそが最大の武器になると強く感じています。

 大手建材卸会社の社長の現場視点

「戦略を再構築する時です。市場は、すでに変わっている」といいます。

この事実に、私たちは真正面から向き合う必要があります。

これまでのターゲットや商品構成に固執するのではなく、今の環境下でも価値を認めてくださる客層へ、自らの技術をどう届けるか。

この「戦略の再定義」こそが、これからの工務店経営の成否を分ける大きな鍵となるはずです。

 「リフォームは競争、リノベは創造」――戦う場所が違う

さらに社長は、こうおっしゃいました。

「リフォームは競争になっているが、リノベはまだ創造の段階」

リフォーム市場はもうすでに成熟し、顧客の奪い合いが起きています。

つまり、
レッドオーシャン(競争市場)

一方で、リノベーションはまだ、

ブルーオーシャン(創造市場)
です。

ここで問われるのは、どこで戦うのかを決めているかどうかです。


 「商品では選ばれない」――体験で選ばれる時代へ

以前は、

・性能やデザイン
・価格
・スペック

こうした要素で選ばれていました。

しかし今は違います。
これらの要素を含めてさらに・・・

・どんな人が対応してくれるのか
・どんな体験ができるのか
・安心して任せられるか

つまり、

体験で選ばれる時代に入っています。

これは非常に大きな変化です。

地方で業績を伸ばす小林工業の事例をぜひご覧ください。
とても参考になる取り組みをしています。

 売り方を変えるのは間違い?

ここで、私が現場で感じる違和感があります。

それは、多くの会社が

「売り方を変えようとしている」ことです。

しかし、本当に変えるべきはそこではありません。

変えるべきは、

・誰に買っていただくのか 
・どんな体験を提供できるのか
・どんな関係が築けるのか

つまり、戦略そのものです。


 客層を変える!

それは、

客層は自然に変わるものではない。戦略的に変えるもの。

ということです。

例えば、

・性能やデザイン、価格で工務店を選ぶお客さま
・上質の体験、作り手のこだわりで工務店を選ぶお客さま

この2つはまったく違います。

どちらを選ぶかで、

・営業のやり方
・商品の見せ方
・会社の未来

すべてが変わります。

 対話から見えた「これからの一手」

今回の対話から整理すると、
これから必要なことは非常にシンプルです。

① 客層を決める
② 営業エリアを決める
③ 絞り込んだ顧客との接点の媒体・機会を増やす
④ 上質な体験を設計する
⑤ 仮説を立て一点集中でやり切る

難しいことではありません。

しかし、やり切る会社は少ない。

だからこそ、差がつくのです。


 最後に

建材卸販売企業の社長との対話は、私にとって非常に大きな気づきとなりました。

現場の事実と、戦略の本質が、一つにつながった瞬間でした。

市場は変わっています。
お客さまの嗜好も環境も変わっています。

だからこそ、

戦略を変えなければ、結果は変わらない。

仮説力が問われます。

むしろ、

・まだ誰も取り組めていない少数派の市場がある
・体験という付加価値の高い提案が、まだ十分に行われていない

という仮説です。

その事実に向き合い、
戦略を変えた会社だけが、
次の時代をつくっていきます。

 追伸

・環境や顧客が変わってきていると感じている
・今のやり方に限界を感じている
・次の一手を探している

そうであれば、一度、現場の戦略を見直すタイミングかもしれません。

客層を変えるとは、ターゲットを変えることではありません。

どんな人と、どんな関係を築きたいのか。

それを一人の顔で定義することから、すべてが始まります。


最後に、ご案内です。
だれでも参加できるトークライブ交流会を企画しています。
あきないトークライブ~「もう一度、工務店を続けると決めた日」- 廃業寸前からの逆転経営
2026年5月13日

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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