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中小企業が差別化するための採用戦略とは?
近年、企業の採用活動は大きく変化しています。かつては求人広告やハローワークが主な手段でしたが、今ではSNSや動画プラットフォームなど、さまざまなオンラインツールが活用されています。大手企業は豊富な資金を投じて採用ブランディングを強化していますが、中小企業が同じ土俵で戦うのは難しいものです。

では、中小企業ならではの「差別化戦略」とは何でしょうか?
本記事では、デジタル時代の採用タッチポイントを活用し、中小企業が独自の魅力を発信する方法について解説します。
従来の採用タッチポイントとその課題
かつての採用方法は、主に以下のようなものでした。
- 求人広告・ハローワーク:地域の求人誌やハローワークを利用するのが一般的でしたが、掲載できる情報量が限られ、企業の魅力を十分に伝えきれないことが課題でした。
- 企業説明会:合同企業説明会や学校での説明会は直接求職者と交流できるメリットがあるものの、参加者の幅が限られ、企業の規模によっては目立ちにくいという問題がありました。
このような方法では、企業の魅力を伝える手段が限られていたため、中小企業は知名度のある大手企業に埋もれてしまうことが少なくありませんでした。
現代の採用タッチポイント:中小企業の活かし方
現在、デジタル化の進展により採用活動のタッチポイントは大きく広がっています。中小企業が差別化を図るためには、大手企業と同じ手法をとるのではなく、自社ならではの魅力を発信することが重要です。
① SNSの活用:大手にはできない”リアルな発信”
SNSは、大手企業以上に中小企業が活用しやすいツールです。なぜなら、大企業が作る”整ったブランディング”よりも、中小企業の”リアルな雰囲気”の方が親しみやすく、求職者に響くことがあるからです。
- Instagram・TikTok:「働く現場の雰囲気」「社員のリアルな声」を短い動画や写真で発信することで、求職者が企業文化を具体的にイメージしやすくなります。特に若い求職者は、会社の雰囲気を重視する傾向があるため、こうした発信が有効です。
② YouTubeでの企業紹介:社長の想いをリアルに伝える
YouTubeは、採用ブランディングを強化するための強力なツールです。特に、「社長の想い」 を伝える場として最適です。
- リアルなメッセージを「連続量」で発信できる
→ 文字だけでは伝わりにくい「熱量」や「情熱」を、動画でダイレクトに届けることができます。 - 会社の成長や変化を継続的に発信できる
→ 「1回の動画で終わり」ではなく、定期的に更新することで、企業の変化や進化を求職者に伝え続けることができます。 - 社長の言葉で「なぜこの仕事をしているのか?」を語る
→ 社長の想いやビジョンを直接求職者に伝えることで、企業に共感してくれる人材を引き寄せることができます。
例えば、ランチェスター戦略では差別化に以下のような動画コンテンツを作るのをおすすめしています。
- 「なぜこの会社を立ち上げたのか?」
- 「これからどんな未来を目指しているのか?」
- 「仕事を通じてどんな価値を提供しているのか?」
- 「今の社員がどのように成長しているのか?」
こうした動画を定期的に発信することで、「この会社の社長のもとで働きたい」と思う求職者を増やすことができます。社長の願望で経営は57%決まるといいます。熱意や想いをしっかり伝えていきましょう。
③ 企業ブログの活用:「社長の想い」を文字で深く伝える
YouTubeでは「連続的にリアルな想い」を伝えるのに対し、ブログは「社長の想いをじっくりと深く伝える」ためのツールになります。
- 「社長の考え」をじっくり言葉にして伝えられる
→ 動画では伝えきれない細かい想いやストーリーを、文章として整理できます。 - 求職者が何度でも読み返せる
→ ブログは蓄積されるため、過去の記事もいつでも読んでもらうことができます。 - 企業の価値観を明確に表現できる
→ どんな人に応募してほしいのか、どんな価値観を大切にしているのかを言語化することで、企業文化に合った人材を引き寄せることができます。
具体的には、以下のような記事を書くのがおすすめです。
- 「なぜこの仕事を続けているのか?」
- 「仕事を通じて何を実現したいのか?」
- 「どんな人と一緒に働きたいのか?」
- 「社長自身が学んだこと、成長した経験」
ブログを活用することで、求職者が企業の考えに共感しやすくなり、より深い理解を持って応募してくれる可能性が高まります。
④ 採用サイトの強化:ストーリー性のあるコンテンツで差別化
求職者は求人情報だけでなく、企業の採用サイトも重視します。特に中小企業にとっては「どんな人と働くのか」「どんな環境なのか」を伝えることが重要です。
- 「社員インタビュー」を掲載する:実際に働いている人のリアルな声は、求職者にとって非常に参考になります。
- 「失敗談」や「成長ストーリー」を紹介する:「成功体験」だけでなく、成長過程を見せることで、親しみやすさや共感を生みます。
- 写真や動画を多用する:文字だけでなく、職場の雰囲気が伝わるコンテンツを充実させましょう。
まとめ:中小企業ならではの「温かみ」と「リアルさ」を活かそう
中小企業の採用戦略において、大手と同じ戦略ではなく、「社長の想い」や「企業のリアルな姿」を伝えることが重要です。
- SNSでは「リアルな職場の雰囲気」を伝える
- YouTubeでは「社長の想い」をリアルな動画で連続的に発信する
- ブログでは「社長の想い」を深く言葉で伝える
- 採用サイトでは「人柄が伝わるコンテンツ」を充実させる
こうした採用活動を通じて、「この会社で働きたい!」と思う人材を集めていきましょう。
投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。