ランチェスター研修会社 NNAで内勤営業・インサイドセールスの育成を行う藤原紀子です。
今回は、緒方洪庵が江戸時代後期に大坂船場に開いた蘭学の私塾「適塾（てきじゅく）」正式名称「適々斎塾（てきてきさいじゅく）」についてお伝えします。

緒方洪庵が開いた蘭学塾「適塾」

大阪の文化遺産「適塾（適々斎塾）」は、事務所の最寄駅南森町から一駅「北浜」のオフィス街にあります。

適塾は、蘭医学研究の第一人者とされる緒方洪庵（おがたこうあん）が開いた蘭学塾です。
全国各地から１０００人にも達する入門者が集まるほど評判が高い塾だったそうです。

西洋医学の研究をはじめ、種痘事業やコレラ治療などが行われていました。

戦略の語源「ストラテジア」を 「将帥の術」戦術の語源「タクティコース」を「戦闘の術」と翻訳した大村益次郎も適塾の塾生でした。

２階に塾生が寝泊まりしていた大部屋がありました。
ひとり１畳づつ場所を確保し、勉強してり寝たりしていたそうです。
その占有する場所は、成績の良い人から選べるようになっていたのだそうです。

大部屋の柱には刀傷もありました。
熱くなり過ぎて、刀を抜いてしまうこともあったのだとか。

大阪市は8回もの空襲をうけましたが適塾は幸いに戦災を免れました。
昭和５５年３月に、文化庁、関西各界、大阪医師会などの支援によって、解体修復され一般公開されています。

たくさんの人の力で守られている江戸時代の町屋そのままの姿は、とても趣がありました。

緒方洪庵の思想

緒方洪庵は、武士の家に生まれましたが、幼少のころから体が弱かったため、武道より文学の道へ進むことを選び、世のため、人のために人生を捧げた方でした。

蘭医学者としての才能と知識を持ち、多くの方に支持されながら、ご自身の名声や名誉、利益を求めることなく、他人への愛と思いやしを大切にして、病に苦しんでいる人のために尽力したそうです。

貧しい人でもお金持ちでも、一切の別け隔てなく接し治療に全力を注いだのです。

塾生・弟子に対しても、「学問教育以上」に「心の教育」を重要視されました。
「自分自身のために生きるのではなく、他人のために生きよ」、「自分自身の利害損得から離れ、他人を救うことだけを考えよ」と自らの思想を示し続けたそうです。

緒方洪庵の功績

天然痘の予防接種「種痘」を全国に広めたことは、大きな功績として残っています。
６万人もの子供たちに種痘を接種し天然痘から多くの命を救いました。
もちろん、全てが上手くいったわけではなく、種痘を接種した人が重篤化して死に至るケースが多くあったと言います。

きっと、避難されることも多くあったのではないかと思います。

様々な苦難があってもあきらめず、情報を集め協力者を仰ぎ、人々を救うために尽力をした緒方洪庵は、やはり世のため、人のために人生を捧げた方なのだと感じます。

また当時、全国的にコレラが大流行しました。
得体の知らない病、死の恐怖に世間はパニック状態に陥いっていました。

未知の病にたくさんの人が命を失う中、多くの医師が手のほどこしようがなく断念していきましたが、ここでも彼は決してあきらめず、コレラの治療法の研究に果敢に取り組みました。

当時、コレラの確実な治療法の発見には至りませんでしたが、後のコレラ治療に大きな成果を残したのです。

適塾で学んだ偉人

多くの偉大な人物を輩出した歴史的な場所、大阪の史跡 重要文化財 適塾
ここでは、明治19年頃まで、塾生の教育や医業が行われていたそうです。

適塾の開塾２５年の間には、およそ３０００人の入門生があったと伝えられています。

幕末から明治維新にかけて、福澤諭吉、大村益次郎、箕作秋坪、佐野常民、高峰譲吉など多くの名士を輩出。

歴代塾頭

• 初代緒方洪庵
• 2代 奥山静寂
• 3代 久坂玄機（久坂玄瑞の兄）
• 4代 大村益次郎
• 5代 飯田柔平
• 6代 伊藤慎蔵
• 7代 渡辺卯三郎
• 8代 栗原唯一
• 9代 松下元芳
• 10代 福澤諭吉
• 11代 長與專齋
• 12代 山口良哉
• 13代 柏原学而（孝章）

Wikipediaより

緒方洪庵の自己の利益や欲望にとらわれず、他人の幸せや利益を優先を大切にする生き方に学ぶことは多いと感じました。

また、門下生は、1冊の貴重な辞書をみんなで使い、徹夜して学んだと言います。
そう行った方々のお陰で今私たちは、様々な医療が受けられるのだと、ありがたく思いました。