今回は「競合他社の特徴を把握し、差別化戦略を展開する効果的な手順やアプローチ方法」をテーマにお伝えしていきます。

ぶつかっては勝てない。
差別化戦略で生き残る。
ライバルについてある程度、調べることができたら、その結果を書き出して表にしてみましょう。
ライバルのカルテをつくるのです。
「客層」
「商品」
「地域」
「営業」
「顧客維持」
といった5つの要素について書き込んでおき、夏・冬と季節が変わるごとに内容を更新します。
もちろんふだんは忙しいでしょうから、比較的時間ができる時期に作業に当ててみてはいかがでしょうか。
お客さまの調査をする場合も例えば6月の梅雨のあとや9月に台風が来たあとに、雨漏りのケアで回ってみるのもいいでしょう。
何よりお客様に喜ばれますから(笑)。
他社の特徴がわかれば、そこにはない自社のセールスポイントも見つけやすくなります。
そしてライバルの強みの届かないところで勝負するのです。
いくら自分たちが「いい」「これはウリだ」と思っていても、他社でも似たようなことをしていれば、顧客にとっては同じようにしか思えませんし、ウリにもなりません。
大手などの強者は、他社の方法に真っ向からかぶせて叩くミート戦略も可能です。
企業の規模や資本力、知名度などを駆使できますから。
しかし、そんなことができない中小規模の会社であれば、他社と同じようなことをしていては決して勝てません。
競争しないで受注する方法を模索するべきです。
他社と常に違うことを探し、差別化戦略をとるべきです。
例えば、私の顧客のビルダー様で、「きずなを守る家づくり専門店」というキャッチフレーズを使われている例があります。

きずなを守る家づくり専門店
東京都板橋区小豆沢で、家づくりに携わって80年。
近隣には、3代目の社長のことを幼少の頃から見知っている方々が暮らしておられます。
社長からすると、子供の頃から可愛がってくれた親戚のおじさん、おばさんのように親しみのある方々ばかり。
そういった地域のきずなを大切にし、親から子へ、子から孫へと代々伝わる土地と家を守りたいという気持ちを表現しています。
小豆沢という地域のことも、そこに暮らすご家族のこともよく知っているから打ち出せるフレーズです。
しかし、ただ「自分のやりたいこと」だけやっていてもお客さまには選んでもらえません。
こちらが言いたいこと、やりたいことに対して、お客さまが「聞きたいこと」「やってほしいこと」は必ずしも同じではない。
ならば、お客さまに求められることをまず提供したほうがいいでしょう。
そのうえで「やりたいこと」を提案していけば、耳を傾けてくれるはずです。
チラシひとつとっても、漫然と見学会の日時や場所だけ提示しても興味がそそられなければ捨てられてしまいます。
この住宅は、何がお客様の興味を惹くのかというポイントを強調すべきです。
関心を持ってもらえてはじめて、日時や場所が必要になるのです。
順番を間違えないようにしないといけません。
投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
1300社以上の指導実績をもつ。「下請け脱却戦略」をはじめ多彩なテーマで年間200回以上のセミナーを行っている。自ら主催する経営塾「あきない実践道場」には全国から経営者が集い、多くの成功事例を生み出している。
ともいきの精神
今、時代に求められている考え方は、仏教で言うところの〝ともいき(共生)の精神〟ではないかと私は思っています。
自分のための生き方ではなく、自分の生き方が人に感銘を与え、人に幸せをもたらせる、このような自他共に生きるともいき(共生) の心をいまの時代、再認識しなければならないように強く感じています。
人はひとりでは生きていけません。
人は誰かと出会い、そして繋がり、必ず人との関わりの中で生きています。
私たちNNA は、大きく変わっていく時代の先を見据え、お客さま・社会・そして我々自身のミッションテーマとして、〝ともいき(共生)〟を掲げ、我々独自の価値観による輪を広げていきたいと考えています。
1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相について