業績が下降している。
業界が冷え込んでいる。
アメリカの関税政策の影響も大きい。
そんな声を、私は現場で何度も聞いてきました。
しかし、ここで問いかけたい。
「下請けだから仕方ない」という発想から、
「この分野なら1位を取れる」という発想へ。
環境は選べません。
けれど、戦略は選べます。
製造業の営業のやり方は、環境依存型から戦略設計型へ転換しなければなりません。
目次
攻めの経営が主流になった2026年
大阪シティ信用金庫が2026年1月に公表した景況見通し調査では、取引先中小企業1,400社のうち1,247社が回答。国内景気を「上昇」と予測する企業は39.7%に達しました。
さらに注目すべきは、経営姿勢です。
5年連続で「攻め」が「守り」を上回りました。
攻めの具体策は、
販路開拓48.3%、商品開発36.0%、採用増員30.1%、設備投資21.0%。
不安はある。しかし、前に進む。
これが2026年の中小企業の姿です。
では、製造業が攻めるとはどういうことか。
それは広告費を増やすことでも、値引きをすることでもありません。
ランチェスター戦略を駆使して営業の仕組みを設計することです。
製造業の営業のやり方を再定義する
ランチェスター戦略の原則は明快です。
強者は広く、弱者は狭く。
大企業が総合化・広域展開をする中で、同じ土俵で戦えば価格競争になります。
「何でもできます」
「全国対応」
「安くやります」
これは強者の戦い方です。
中小製造業が取るべきは、細分化と集中。
市場を絞り、顧客を絞り、用途を絞る。
そして狭い分野で1位を取る。
営業とは売上を追いかける行為ではありません。
利益を残す仕組みをつくることです。
価値を高める唯一の方法
では、どうやって1位分野を見つけるのか。
答えはシンプルです。
お客様の声を聞くこと。
多くの企業は「品質」「短納期」「小ロット」と言います。
しかしそれはどこも同じ。
本当の差別化は、顧客の口から出た言葉の中にあります。
- なぜ当社を選んだのですか?
- 他社との違いは何ですか?
- 決め手は何でしたか?
この質問からしか、本当の価値は見つかりません。
経営は自社中心ではなく、お客中心です。
価値は自分で決めるものではなく、顧客が決めるものなのです。
展示会に出展する前にやるべきこと
ここで重要なテーマです。
展示会では売り込まない。
展示会は売る場ではありません。
お客様の声を集める場です。
- どんな加工で困っているのか
- どの工程でボトルネックがあるのか
- 今の取引先に不満はあるのか
展示会に出展する前にやるべきことは、
ブース設計ではありません。
- 既存顧客へのインタビュー
- 選ばれている理由の言語化
- どの市場で1位を取るかの決定
この準備なく出展しても、名刺の山で終わります。
営業は偶然ではなく設計です。

この流れを設計して初めて、展示会は成果に変わります。
経営の原点に立ち返る
経営の目的は何か。
それは「お客様をつくること」です。
外部環境は変えられない。
しかし、戦略は変えられる。
どの分野で1位を取るのか。
誰の課題を解決するのか。
なぜ選ばれるのか。
この問いに答えられた企業だけが、環境に左右されません。
2026年は攻めの経営が主流です。
攻めるとは、値引きすることではなく、戦略を持つこと。
製造業の営業のやり方を変える第一歩は、
顧客の声を聞き、小さな市場で1位をつくることです。
本内容は、2026年2月26日、尼崎商工会議所にて開催した製造業経営者向け研修をもとに構成しています。

製造業支援や営業戦略再設計をテーマとした研修のご相談も承っております。
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投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。



