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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

5年後、人がいなくなる工務店が増えていく

地域密着企業の採用現場で起きている“ミスマッチ”の正体

2026年5月12日、東京・新宿のLIXILショールームで、「ランチェスター採用戦略」をテーマにした勉強会を開催しました。

今回ご参加いただいたのは、地域密着でリフォームや新築を手がける工務店の経営者や採用担当者の皆さまです。

今回の研修会では、採用について各社の現状を共有いただきましたが、そこで改めて感じたのは、多くの工務店が“同じ悩み”を抱えているということでした。

・営業が足りない
・若い人が採れない
・育てる余力がない
・採用しても辞めてしまう

こうした声は、1社だけの問題ではなく、今の地域密着企業に共通する大きな課題になっています。

「人がいない」のではなく、“会社を維持する人材”が足りない

今回、参加企業の皆さまから共通して出てきたのは、「ただ人が足りない」のではなく、

「会社を未来につなぐ人材がいない」

という課題でした。

ある会社では、定年退職が続き、以前の半分ほどの人数で会社を回している状態。

また別の会社では、

・営業
・設計
・デザイナー
・現場管理
・職人

ほぼすべての職種が不足していました。

しかも問題は、“募集しても来ない”だけではありません。

なんとか採用できても、

・年齢層が高い
・求める人物像と違う
・教育する余力がない
・現場が忙しすぎて育成できない

という状態です。

つまり今の工務店は、

「採用」と「教育」と「定着」

が同時に崩れ始めているのです。


「辞めたから募集する」が止まらない

今回の勉強会で特に印象的だったのが、

“採用が後手になっている”

ということでした。

本来、採用とは未来を作るために行うものです。

しかし現実は、

・急に辞めた
・定年退職した
・現場が回らなくなった
・案件が増えた

という“緊急対応型採用”になっています。

だから、

「とにかく早く人を入れないと」

となってしまう。

結果、

・Indeed
・求人媒体
・人材紹介
・採用サイト

へ依存していきます。

しかし、これは大手企業と同じ戦い方です。

つまり、「資金力勝負」に巻き込まれてしまうのです。


「応募はある。でも欲しい人ではない」

この言葉は、多くの参加企業から聞こえてきました。

「ゼロではない。でも違う」

これです。

例えば、

・営業募集なのに営業経験がない
・若い人が欲しいのに年齢層が高い
・未経験すぎて育成負担が大きい
・価値観が合わない
・すぐ辞めそうに感じる

という悩みです。

しかし、ここで重要なのは、

「なぜ、その応募が来るのか?」

です。

実はこれは、“会社側の発信”に問題があります。


「誰でもいい採用」になっていないか?

今回、多くの会社が、

「若い人が欲しい」
「営業が欲しい」
「職人が欲しい」

と話されていました。

ですが、それだけでは、まだ弱いのです。

本当に必要なのは、

・どんな考え方の人か
・何にやりがいを感じる人か
・どんな人生を送りたい人か
・なぜ工務店で働きたいのか

ここまで具体化することです。

ランチェスター戦略でいう「一点集中」です。

つまり、

“誰に来てほしいかを絞る”

ことが必要なのです。

しかし多くの会社は、

「人が足りないから、とにかく募集」

になっています。

だから求人票も、

・未経験歓迎
・アットホーム
・やりがいがあります

という、どこも同じ言葉になる。

結果として、

給料
休日
福利厚生

だけで比較される採用になってしまうのです。


地域密着なのに、“地域採用”になっていない

今回、非常に象徴的だったのがこの問題でした。

地域密着を掲げながら、実際には遠方採用になっている会社が多かったのです。

車で1時間。

電車で長距離通勤。

これでは、長く働き続けるのは簡単ではありません。

本来、地域密着の工務店には、

・地元で働きたい
・家族の近くで働きたい
・地域に貢献したい

という人が合っています。

つまり採用でも、ランチェスター戦略の「局地戦」が必要なのです。

広く集めるのではなく、

「この地域で働きたい人」

に絞る。

ここが、中小工務店の本来の強みです。


「採用できた=成功」ではない

今回、多くの会社が感じていたのが、

“定着の難しさ”

でした。

せっかく採用しても、

・1年以内に辞める
・育つ前に辞める
・教える人が疲弊する
・現場の空気が悪くなる

という問題が起きています。

特に工務店は、

・技術
・コミュニケーション
・お客様対応
・現場力

すべてが必要な仕事です。

だから、本来は時間をかけて育てる必要があります。

しかし現場は忙しい。

すると、

「すぐ戦力になってほしい」

になってしまう。

ここに大きなズレがあります。


本当の問題は「選ばれる理由」が曖昧なこと

今回の勉強会で見えてきたのは、

「人が来ない」

ではありませんでした。

本当の問題は、

“自社が、誰に、どんな価値を届ける会社なのか”

が曖昧になっていることです。

だから、

・条件比較される
・ミスマッチが起きる
・定着しない
・採用費だけ増える

という状態になっているのです。


小さな会社は「小さな会社らしく」戦う

ランチェスター戦略では、小さな会社が大手と同じ戦い方をしない。

つまり、

「大手と同じ求人」

をしてはいけないのです。

重要なのは、

・地域を絞る
・欲しい人物像を絞る
・会社のリアルを伝える
・社員の想いを伝える
・働く意味を伝える

ことです。

全国1位ではなく、

「地域で一番相談しやすい工務店」
「若手が育つ工務店」
「職人を大切にする会社」

そんな“小さな1位”を作ることが重要です。

「自社らしさを言語化できた会社」

が選ばれる時代です。

その独自性が、採用の差別化になります。

もし今、

「採用費をかけても成果が出ない」
「求人媒体に振り回されている」
「地域での採用に課題を感じている」

そんな状態であれば、一度ご相談ください。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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