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1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

お客様の不満が会社を育てる_形だけの朝礼を「成長の仕組み」に変える方法

現場にいると、「うちの朝礼って意味あるのかな」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。毎朝同じように集まり、予定を確認し、数字を共有する。しかし、それが業績や現場の活力につながっている実感がない。そんな会社は決して少なくありません。

今日は、そんな「形だけの朝礼」から脱却し、会社を成長させるためのシンプルで本質的な考え方についてお話しします。

朝礼が『ただの習慣』になってしまう理由

多くの会社では、朝礼の目的が曖昧なまま続けられています。「とりあえずやるもの」「昔からの習慣だから」という理由で行われているケースがほとんどです。

その結果、内容はどうなるかというと、「今日は営業に行きます」「昨日はここまで進みました」といった報告だけで終わる。あるいは、時間や形式ばかりが重視され、1分遅れたら叱責されるような場になってしまう。

しかし冷静に考えてみてください。こうした情報共有であれば、日報やチャットで十分に済む話です。わざわざ全員が集まる意味は、本来そこにはないはずです。

うまくいっている会社の朝礼は何が違うのか

では、業績を伸ばしている会社は朝礼をどのように使っているのか。

結論から言えば、「お客様の声を共有する場」として活用しています。

ある建材を扱う会社の事例があります。生コンや砂利、工具などを扱う、いわゆる成熟した業界です。価格競争に陥りやすく、大きく成長するのが難しい分野と言われています。

しかしその会社は、ある工夫を徹底することで業績を伸ばしてきました。それが、「お客様の不満や不便を徹底的に拾い上げる仕組み」です。

「何に使うのですか?」という一言

その会社では、お客様から「これ置いてないの?」と言われたとき、必ずスタッフがこう聞き返します。

「何に使うのですか?」

一見すると当たり前のやり取りですが、ここに大きな差が生まれます。

単に「ありません」で終わらせるのではなく、用途や背景まで深掘りする。すると、「こういう場所で使いたい」「こういう形状じゃないと困る」といった具体的なニーズが見えてきます。

例えば、「ガレージの角が丸いから、それに合うコテが欲しい」といったような、非常にニッチな要望です。こうした声は、普通に営業しているだけではなかなか見えてきません。

そして重要なのは、その情報を個人で終わらせないことです。

朝礼で共有するという仕組み

拾い上げたお客様の声は、翌朝の朝礼で全員に共有されます。

「昨日こんなお客様が来て、こういう用途で困っていた」
「こういう商品があれば助かると言われた」

こうした具体的な話が日々積み重なっていくことで、社員全員の中に「お客様の困りごと」が蓄積されていきます。

すると、現場の意識が変わります。ただ商品を売るのではなく、「どうすれば役に立てるか」を考えるようになるのです。

品揃えはお客様が教えてくれる

この会社の社長は、朝礼で上がってきた声をもとに品揃えを決めています。

ポイントは、どこにでもある商品ではなく、「他では手に入らないもの」に集中することです。

その結果、例えばコテだけでも1,000種類を揃えるという圧倒的な専門性を実現しました。「あそこに行けば必ずある」という状態をつくったのです。

するとどうなるか。

珍しい商品を求めて来店したお客様が、ついでに他の商品も購入していくようになります。いわゆる「ついで買い」が自然に生まれるわけです。

値引きに頼らない経営へ

さらに大きな変化は、「値引きが不要になる」という点です。

本当に困っていることを解決してくれる店は、それだけで価値があります。「多少高くてもここで買いたい」と思っていただけるようになるのです。

その結果、口コミが広がり、遠方からわざわざ訪れるお客様も増えていきます。

価格ではなく価値で選ばれる状態。これはどの業種でも目指すべき理想的な形ではないでしょうか。

社員のやりがいも変わる

もう一つ見逃せないのが、社員の変化です。

自分が聞いたお客様の声が商品として形になり、その商品を買ったお客様から「ありがとう」と言われる。この体験は、働く上での大きな喜びになります。

すると、「もっと役に立ちたい」「もっと良い提案をしたい」という前向きな気持ちが生まれます。

こうして、会社の中に良い循環が生まれていくのです。

商売繁盛の原点はシンプル

ここまでお話ししてきたことは、特別な投資が必要な話ではありません。

やるべきことはたった一つ。
「お客様の不満や不便をきちんと聞き、それを社内で共有すること」です。

形だけの朝礼をやめて、この時間を「お客様の声を共有する場」に変える。それだけで、会社の方向性は大きく変わります。

商売の原点は、やはりお客様にあります。どれだけ時代が変わっても、この本質は変わりません。

もし今、朝礼が形骸化していると感じているなら、ぜひ一度見直してみてください。小さな工夫が、大きな成果につながるきっかけになります。

なお、この考え方については動画でも詳しくお話ししています。より具体的なイメージを持ちたい方は、ぜひこちらもご覧ください。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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