こんにちは。
1位づくり戦略コンサルタントの佐藤です。

「最近、紹介が減ってきたんです」
以前、ある工務店の社長から、そんな相談を受けました。
工事は丁寧にしている。
完成した家にも自信がある。
お客さまから大きな不満を聞いたわけでもない。
それでも紹介が減ると、社長は不安になります。

「もっと広告を出したほうがいいんでしょうか」
「新しいお客さまを集める方法を変えるべきでしょうか」
そんな考えが浮かぶかもしれません。
私は、まず別のところに目を向けたいと思います。
今、お付き合いのあるお客さまに、喜んでいただけているでしょうか。
家を建てた後も、安心して暮らしていただけているでしょうか。
紹介を増やしたいなら、最初に大切にしたいのは、今のお客さまです。
今回は、工事が終わった後のお客さまとの関係についてお伝えします。
それでは詳しくご紹介します。
目次
最初の一歩は「ありがとうございます」
紹介を増やす方法を考えると、紹介カードや特典、イベントなどを思い浮かべるかもしれません。
そうした方法を考える前に、私が大切にしたいのは感謝です。
家づくりやリフォームを任せてくださったお客さまに、「ありがとうございました」と伝えることが大切だと考えています。

家は、家族が毎日を過ごす場所です。
その大切な場所を、数ある会社の中から自社に任せてくださった。そのご縁を当たり前のことにしたくありませんね。工事が終わったときにお礼を言っていても、しばらく時間がたった今、もう一度伝えてよいと思います。
「その節は、私たちに工事を任せてくださり、ありがとうございました。その後、お変わりありませんか」
短い葉書でも、電話でも構いません。
まずは、売るための用件をつくらず、お客さまを思い浮かべて連絡する。そこから関係を始め直せるのではないでしょうか。
会えていないお客さまを、思い出してみる
工事が終わってから、しばらく訪問できていないお客さまはいませんか。
年賀状や案内は送っていても、最近の暮らしぶりを聞けていないお客さまはいませんか。
忙しい日が続くと、新しい現場の予定が先に埋まります。連絡しようと思いながら、半年、一年と過ぎることもあります。

私も、仕事に追われると、目の前の予定に気持ちが向きます。関係を大切にしたいと思っているだけでは、連絡は続きません。
まずは、お客さまの一覧を開いてみてください。
最後にお会いした日。
最後に連絡した日。
どんな工事をしたか。
その後、困っていることを聞いたか。
空欄があっても、誰かを責めるための確認ではありません。これから誰に、どんな気遣いを届けられるかを考えるための確認です。
家づくりの仕事は、暮らしの安全にも関わる
家を建てるとき、工務店は何度もお客さまと話します。
間取りを相談する。材料を決める。工事の進み具合を伝える。気になることがあれば、現場で確認する。
私は、その熱心さを工事後にも少しつなげてほしいと思います。
家は完成した日から、雨や風、暑さや寒さにさらされます。ご家族の暮らし方も変わります。
大雨が降った後なら、
「雨漏りはありませんでしたか」
「雨どいで気になるところはありませんか」
「お庭のシンボルツリーは大丈夫でしたか」
そんな連絡ができるかもしれません。
昨年、大雨の被害があった地域なら、その時期が来る前に「備えで気になることはありませんか」と尋ねることもできます。

もちろん、地域も建物も状況は違います。決まった文章を一斉に送るだけでは、お客さまの安心につながらない場合もあります。
「あのお宅は、以前ここを心配されていたな」
そう思い出して連絡できたら、気持ちは伝わりやすいと思います。
異常があれば、状況を聞き、必要に応じて現場を確認する。工務店だからできる気遣いです。
工事後こそ、お客さまへの「報連相」を
会社の中では、報連相が大事だと言われます。
報告、連絡、相談です。
私は、お客さまへの報連相も大切だと考えています。特に、家を建てた後、リフォームを終えた後です。
工事中は、打ち合わせも報告も熱心に行います。一方で、引き渡しが済むと、連絡の機会が少なくなりがちです。
工事後の「報告」には、点検した箇所や、確認できた状態を分かりやすく伝えることがあります。
「見ておきました。今のところ、雨どいに詰まりはありませんでした」
もし気になる点があれば、その内容も伝える。お客さまが家の状態を知ることができます。
「連絡」は、天候や季節に合わせて気をつけたいことを伝えることです。
「大雨の予報が出ています。以前ご相談いただいた場所で、気になることはありませんか」
その家のことを覚えているからこそ、できる連絡があります。
「相談」は、こちらから話すだけで終わらず、お客さまの声を聞くことです。
「最近、暮らしの中で不便なことはありませんか」
「小さなことでも、気になることはありませんか」

すぐに工事につながらなくても構いません。お客さまが気軽に相談できる関係を育てることが大事です。
紹介するとき、お客さまは自分の信用も渡している
お客さまが友人やご家族に工務店を紹介するとき、会社の名前だけを伝えているわけではありません。
「この人たちなら相談して大丈夫だよ」
自分の信用も添えて、紹介してくださっています。
私は、それを重く受け止めたいのです。
工事中はよかった。
でも、その後は何も連絡がない。約束した日に返事が来ない。
点検を頼んでも、どうなったか分からない。
そうしたことが続けば、お客さまは紹介をためらうかもしれません。
反対に、工事が終わってからも、必要なときに連絡があり、相談にも誠実に応じてくれる。
その体験があれば、大切な人にも話しやすくなると思います。
紹介は、お願いした回数だけで生まれるものではないのでしょう。
普段、お客さまにどう向き合っているか。その積み重ねが問われます。
今の現場を、一つひとつ大切にする
工事後の連絡と同じくらい、今取り組んでいる現場も大切です。
工事の日程が変わったら、早めに伝える。
現場で気づいたことがあれば、分かる言葉で説明する。
職人が近隣の方へ挨拶をする。
工事が終わったら、約束した内容を確認する。
どれも、特別な販売技術ではありません。
けれども、こうしたことを忙しいときにも続けられる会社を、私は信頼します。

社長だけが気を配っても、すべての現場を見ることはできません。
職人や事務の人も含めて、「お客さまが今、何を心配しているか」を共有することが必要です。
現場の人を責めるための報連相にはしたくありません。
困ったことを早く伝えられる。分からないことを相談できる。そして、会社としてお客さまに誠実に説明できる。
そんな仕事の進め方が、現場で働く人を守り、お客さまの安心にもつながると考えています。
刈り取る前に、種をまき、育てる
田んぼにたとえるなら、新しいお客さまを探して受注することは、収穫を考えることに近いかもしれません。
収穫は大切です。会社には売上も利益も必要です。
けれども、刈り取りばかりを考えて、種をまき、水をやり、育てる時間を忘れてはいないでしょうか。
工事を任せてくださったことへの感謝を伝える。
暮らしの変化を気にかける。
大雨の後に、家の様子を尋ねる。
相談を受けたら、結果を報告する。
一つひとつは、小さな行動です。すぐに次の契約になるとは限りません。
私は、お客さまとの関係を、次の仕事のためだけに育てたいとは思いません。

そのご家族が、安心して暮らし続けられることが先です。お客さまに喜んでいただき、信頼が育ち、必要なときにまた声をかけていただける。その先に、紹介も生まれるのだと思います。
まとめ
紹介を増やしたいとき、まず向き合いたいのは、今のお客さまです。

家づくりやリフォームを任せてくださったことに感謝する。しばらく会えていない方を思い出す。そして、工事後も報告、連絡、相談を続ける。
家づくりに携わる私たちの仕事は、完成した建物を渡して終わりではありません。その後の暮らしにも関心を持ち、困ったときに相談できる存在でありたいと思います。
最初の一歩として、しばらく連絡できていないお客さまを一人選んでください。
葉書でも、電話でも構いません。
「その後、お変わりありませんか。何か気になることはありませんか」
感謝を込めて、そう声をかけてみませんか。

その一つの連絡が、お客さまの安心につながるかもしれません。そして、一つひとつの関係を大切にすることが、会社の未来をつくっていくのだと私は考えています。
ご案内
お客さまを大切にしたいと思っていても、忙しい日々の中で、連絡が途切れてしまうことがあります。
あきない実践道場では、お客さまの声を聞き、自社が選ばれる理由を見つけます。そして、その価値を届け、お客さまとの関係を育てる方法を一緒に考え、実践します。
「工事後のお客さまとの接点をつくりたい」
「紹介につながる会社の仕組みを考えたい」
そう感じた方は、こちらからご相談ください。まずは、今のお客さまとの関係から一緒に見つめ直しましょう。
投稿者プロフィール

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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。



