こんにちは！　1位づくり戦略コンサルタント　
佐藤元相です。

今日のテーマは「苦労は人生の糧になる。アメリカ放浪の旅を決めた日のこと」です。

私は、19歳のときに、アメリカへ自分探しの旅にいく計画をしました。
なぜなら、父は病気で入院、母の給料では生活できず、私の仕事の給料は家族の生活費ためにすべて使われていて、自分の給料なのにお小遣い程度のお金しか手元に残りませんでした。自分の想うようにお金を使えないことに不満があったからです。

自分の人生はこのまま家族のために働くことで終わるのか？
私は何をするために生まれてきたのか？
逃げ出したい気持ちを抑えて、ずっとモヤモヤしていました。

アメリカへひとり旅に出れば、自分は何のために生まれてきたのか？その答えがみつかるかもしれない。現実から離れてみよう。

ちょうど、イーグルスのホテルカリフォルニアという曲をはじめ、西海岸のロックミュージックが日本で流行してました。私にとって憧れのカリフォルニアでした。「行ってみたいなぁ」と強く想うようになっていました。

一方で、私が家族の生活を支えていたので、家族にお金の心配をかけるわけにはいかないと、なかなか決断できずにいました。そんな日々が過ぎていき、アメリカへ旅することを決めて出発の1週間前のことです。母と近所の居酒屋へいきました。カウンターの席に隣り合わせに座りました。私はカウンターの向こうに見える、店の料理メニューボードを「ぼーっ」と見つめながら話を切り出しました。

そう言うと、母は微笑んで言いました。

母は声を詰まらせて、グラスのビールを口に流しました。
母は楽天的な人で、どんなに苦しいときも泣き言や愚痴を言いません。ずっと笑っている人でした。
しかしこの日の母はいつもと違っていました。
目を閉じて思い出を引き出すように話を始めました。

私はそう言って話しを止めました。
でも実際はそのときのことを鮮明に覚えています。

それは、中学2年生の修学旅行のことでした。

新大阪から福岡へ向かう新幹線の中で昼食をとることになりました。
シートを向かい合わせにして座って、家で作ったもらったお弁当を膝の上に載せて、食べ始めました。
弁当箱の蓋を開けたとき、ツーンと、すっぱい臭いがして、米とおかずが糸を引くようについてきました。

これ腐ってるやんか！

慌てて・・友だちにばれないように、弁当箱の蓋を閉めて席を立ち、ゴミ箱にすてました。

母は椎茸が腐りかけていたと言っていましたが、椎茸もごはんも腐ってました。
そのときの申し訳ない気持ちをずっと抱えていたんだなぁと感じました。
でもこんなこと、大したことではなく、私は母を恨むことはありませんでした。
母は父の代わりに朝・昼・晩と働いて、生活を支えているのをずっと観ていたからかもしれません。

私と母は、お会計を済ませ店を出ました。
その日は、大阪でも特別、星が綺麗に見えた夜でした。
帰り道、私は小さくなった母の肩に手を置いて、

と小声でと伝えました。
家までの帰り道、母の肩はずっと揺れていました。

放浪の旅をすることに不安はありましたが、決意が固まった夜でした。
今から振り返ると苦労が人生の糧になっている。
自分を強くしてくれたと感じています。
過去を換えることができないが、過去の想いを書き換えることはできると想いました。

今日は、そろそろ終わりにします。

大阪市立東生野中学校　私の母校です。

本日も、お付き合いくださりありがとうございます。