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佐藤元相のオフィシャルブログ

1位づくり戦略コンサルタント 佐藤 元相

経営を良くするには、何から始めたらいいのですか?/ランチェスター戦略から紐解く

先日、独立して3年目。WebやSNSなどの事業に取り組んでおられる方々から、経営相談をいただきました。

技術があり、仕事にも誠実に取り組んでいる。それでも、思うように仕事が増えない。事業を続けるためのお金にも、不安を感じている。

そんなお話を伺いながら、私自身の創業当時を思い出しました。

今回は、その相談でお伝えした、粗利益の考え方、ランチェスター戦略、そしてお客さまとのコミュニケーションについてご紹介します。

それでは詳しくご紹介します。

「自分のお金で続けてきたんです」

相談の中で、お一人がこんな悩みを話してくださいました。

「これまで自分のお金で仕事を回してきたんですけど、そろそろ限界かなと思っていて……」

名刺を新しくした。動画も作った。Webもある。これからチラシも作ろうと考えている。

仕事を知っていただくために、行動されていました。

けれど、事業を動かすために必要な売り上げには、まだ届いていない。働いて貯めてきたお金を使いながら、仕事を続けている状態でした。

生活費は、まだ何とかなる。しかし、事業には、それとは別にお金がかかります。

「まずは、自分の事業を動かせるぐらいは稼がないと、今後はしんどいですね」

その言葉に、切実な状況が表れていました。

さらにお話を聴くと、仕事の柱となる商品も、まだ定まっていませんでした。

異業種のお店を訪ね、流行っているお店には看板商品があると気づいた。ただ、自分の仕事では何を看板商品にすればよいか、考えている途中だったのです。

資金が減っていく不安と、何を売って事業を育てるかが定まらない悩み。

今回の相談では、この両方を考える必要がありました。


売り上げと、粗利益と、自分の収入は違う

当面の資金については、詳しい専門家に相談することをお勧めしました。

それと並行してお伝えしたのが、稼ぐ力をつけることです。

まず考えたいのは、事業を続けるために必要な粗利益です。

粗利益は、売り上げから売上原価を差し引いたものです。そこから事業を運営する経費などを支払います。売り上げが、そのまま自分の収入になるわけではありません。

ウェブ制作でも、外注すれば費用がかかります。仕入れが少ない仕事でも、通信費や交通費などの支出があります。

今回の相談では、一人で営む事業で目指したい水準として、年間粗利益1,500万〜2,000万円という話をしました。

もちろん、必要な金額は事業によって違います。自分の生活と事業の継続、これからの投資を考えて決めることが大切です。

例えば、年間粗利益2,000万円なら、月平均は約167万円。月20日で考えると、1日平均で約8万3,000円です。

毎日同じ金額を受注するという意味ではありません。必要な仕事量をつかむための目安です。

どの商品で、この粗利益を生み出すのか。
一件当たり、いくら残るのか。
月に何件の仕事が必要なのか。

ここまで考えると、「もっと稼ぎたい」という思いが、具体的な仕事の計画に変わっていきます。

経営に知識が必要だとは全く知らなかった

私も最初から、経営のやり方を知っていたわけではありません。

ホームページ制作をしていた頃は、花屋さん、居酒屋さん、町工場などへ飛び込み営業をしていました。

「ホームページを作りませんか」

そう言って訪ねても、価格を伝えると、

「高いな」
「君のところは、他と何が違うん?」

と聞かれました。

私は、うまく答えられませんでした。

一生懸命に作る。丁寧に対応する。その気持ちはありました。しかし、それがお客さまにとって、どんな価値になるのかを整理できていなかったのです。

そんな私に、先輩の経営者が聞いてくださいました。

「佐藤君、経営者やろ。経営のやり方、知ってるか?」

私は答えました。

「ホームページの作り方は知っています」

すると、

「経営には、経営のやり方があるんやで」

と言われたのです。

仕事をする技術と知識、その技術と知識を必要としているお客さまへ届ける力。私には、その両方の学びが必要でした。

知識がなければ、現場が見えない

大工の技術を身につけた職人が、独立して工務店を始めた人を例に考えてみます。

大工職人は、木を切り、組み立て、家を建てる技術を持っています。しかし、経営を担う工務店経営なら、さらに考えることがあります。

どんな家を建てたい人がいるのか。
その人は、何に困っているのか。何を望んでいるのか。
地域には、どんな住宅の需要があるのか。
競争相手は、どんな仕事をしているのか。
自分は、その競争相手と何が違うのか。

どのような家づくりで顧客から選ばれるのか。

図面に沿って施工する技術に加えて、その家に住む人の暮らしや予算、将来の不安を理解することも必要です。

さらに、経営の知識があれば、ライバルとの差別化を考えることもできる。どんな価格で提供するか、どのお客さまと関係をどのように深めるかを考える。

知識がなければ、目の前にあっても全く見えない状況になるのです。

これは、士業でも製造業でもウェブ制作業でも同じです。

その技術が、誰のどんな困りごとを解決するのか。どんな価値として受け取られるのか。どのような仕組みで届けるのか。

そこまで考えることで、技術を選ばれる商品に育てていけるのです。

私が選んだのは、製造業に特化することでした

私の転機となったのが、ランチェスター戦略との出会いです。

竹田陽一先生のもとへ通い、教材を繰り返し聴きました。当時はカセットテープです。何度も聴き、テープが切れるほど勉強しました。

学んだのは、商品や客層、地域を絞り、限られた資源を集中するランチェスター弱者必勝の考え方です。

小さな会社が、あらゆるお客さまに、あらゆる商品を売ろうとすると、時間もお金も分散します。

自分が勝てる領域を定め、そこで1位を目指す。

その考えが何より重要なのです。

そこで、私は自分の経験を振り返りました。

私は、高校を卒業してから約10年間、町工場で働いています。

現場で働く人の気持ち。下請け企業の厳しさ。技術があっても、その価値を伝えられない悔しさ。

自分自身が経験してきたことでした。

製造業については、私には他社よりも多くの知識と経験がある。この領域なら、自分の強みを活かして勝てる。

そう気づいたのです。

そこで、製造業に特化した専門会社であることを、お客さまに伝えるようになりました。

私にとって、絞り込みの根拠になったのは、町工場で積み重ねてきた経験でした。

専門を決めると、対話と提案が深くなる

製造業に特化して、私が力を入れたのは、ホームページを作る前の対話です。

社長の話を聴く。現場を見る。お客さまの声を聴く。

その会社は、何を得意としているのか。どんな仕事で喜ばれているのか。どの領域なら、1位を目指せるのか。

現場経験と重ねながら考え、仮説を立てて社長と話し合いました。

すると、お客さまの事業戦略が見えてきました。

事業戦略が理解できると、ホームページに載せる内容も変わります。

設備や商品を並べるだけでなく、

「誰の、どんな困りごとに応えられる会社なのか」

を伝えられるようになったのです。

私の仕事も、お客さまの強みを見つけ、選ばれる価値を一緒につくる仕事へ変わりました。

その結果、価格を上げても、ご依頼をいただけるようになりました。

自分の経験が活きる客層に力を集中し、そこで役立つ仕事を深める。今回の相談でも、この経験をお伝えしました。

三角形に公式があるように、営業にも公式がある

相談では、営業の公式についてもお話ししました。

三角形の面積は、「底辺×高さ÷2」で求めます。公式を知っていれば、何を使って考えればよいかが分かります。

営業でも、私は基本となる考え方として、

「量の二乗×質」

をお伝えしています。

ここでいう量とは、お客さまとのコミュニケーションの量です。成果を厳密に計算する式というより、接点を重ねる重要性を捉える考え方です。

名刺やチラシを整えても、お客さまとのやり取りが少なければ、理解を深める機会は増えません。

会って話を聴く。
電話で様子を伺う。
役立つ情報を届ける。
相談の後に、その後の状況を尋ねる。

こうしたコミュニケーションを増やしていきます。

もちろん、こちらの都合で何度も売り込むことではありません。相手を気遣い、困りごとを聴き、役立つことを届ける。その質も大切です。

対話を重ねると、お客さまへの理解が深まります。その理解が、次の提案にも活きてきます。

誰とのコミュニケーションを増やすのか

ここで、ランチェスター戦略と日々の営業がつながります。

一人で使える時間には限りがあります。

誰とのコミュニケーションに力を入れるかを決める必要があります。

私の場合は、知識と経験を活かせる製造業でした。

重点とする客層を決め、そのお客さまとの対話を増やす。

困りごとを理解し、提案を磨く。

相談者が悩んでおられた看板商品も、この対話から手がかりが見えてきます。

自分の得意なことと、お客さまが必要としていることは、どこで重なるのか。原理原則に沿って、そこに競争相手との違いを出せるのか。

ただ狭くすればよいわけではありません。お金を払ってでも解決したい課題なのかを、提案と反応から確かめます。

学び、実践し、振り返る。その積み重ねで、自分の仕事を育てていくのです。

経営を良くするために、時間の10%を学びに投資する

最後に、私が大切にしていることをお伝えします。

私は、仕事時間の10%を学びに投資する必要があると考えています。

例えば、1日8時間なら48分。週40時間なら4時間です。

忙しい日々の中では、目の前の仕事が優先になります。しかし、仕事をこなすだけで一日が終わると、経営のやり方を見直す時間が持てません。

そこで、学ぶ時間を先に予定に入れておくのです。

経営の本を読む。

教材を聴く。

研修で原理・原則を学ぶ。

そして、自社の仕事に置き換えて考える。

私も、学ぶことで見えるものが変わりました。

誰に営業するのか。

どの商品に力を入れるのか。

どこなら、自分の強みを活かせるのか。

学んだことを試し、お客さまの反応を見て考え直す。

その繰り返しが、仕事の変化につながりました。

学びに使う10%は、残りの90%の仕事を、より価値のあるものにするための時間です。

圧倒的な差別化で価格競争にならない仕事をする。
そして何より顧客の役に立つ。貢献する。

そのためにも、経営を学び続けたいと思っています。

まとめ

経営を良くするには、何から始めたらよいのでしょうか。

今回の相談では、必要な粗利益を考えること、自分が勝てる領域を定めること、そしてお客さまとのコミュニケーションを増やすことをお伝えしました。

その土台になるのが、経営を学ぶ時間です。

私も、技術はあっても、選ばれる理由を答えられないところから始めました。

学び、実践する中で、町工場での経験が強みだと気づいたのです。

あなたにも、積み重ねてきた知識や経験があると思います。

まずは、今週の予定に、仕事時間の10%に当たる学びの時間を入れてみてください。

そこで学んだことを一つ、お客さまとの対話や提案で試してみる。

その小さな実践が、経営を良くする一歩になります。

経営を良くする一歩を、一緒に考えませんか

「技術はあるけれど、仕事が増えない」
「何を看板商品にすればよいか分からない」
「経営を学びたいけれど、何から始めればよいか迷っている」

そんな方に向けて、NNAではランチェスター戦略を軸に、お客さまづくりを支援しています。

あきない実践道場では、自社の商品、客層、営業の取り組みを整理し、実践と振り返りを重ねます。

まずは、個別相談で今の状況をお聞かせください。

培ってきた経験や技術を、どんなお客さまに届けるのか。一緒に整理していきましょう。

経営戦略の基本と実践力を高めるあきない実践道場はこちらのサイトです。

投稿者プロフィール

佐藤元相
佐藤元相
1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
立志立命式代表世話人。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。

著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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