大阪でランチェスター戦略の研修を30年間継続して実施している1位作り戦略コンサルタント、佐藤元相です。息子への事業承継を決めました。息子は企業チャンネルのフォロワーを40万人に増やす成果を上げました。
彼を次世代のリーダー、経営者としてに育てるため、6つのプランを考えました。そして最後に「志とは」「事業の目的とは」「実現したいこと」などの問いを明確にして事業を承継していきます。それが私の仕事です。
目次
息子の経歴
私は、2024年3月に、息子と話し合い事業を承継することを決めました。息子は東大阪の中堅家電メーカーライソン株式会社に入社して約3年の間、動画クリエーターとして企画や動画、配信など1人で担当していました。当時、ライソンの企業チャンネルは、400人程度のフォロワー数で、彼に与えられた目標はフォロワー1万人達成することでした。ところが、その企業チャンネルは、40万人越える方にフォロワーが登録するという結果を残しました。SNS動画コンサルタント 佐藤大将のプロフィールはこちら。
次世代のリーダーとして育てるための6つのプラン
私は、息子と仕事を共にできることがとても嬉しく、彼を誇らしく感じています。さて、息子を立派な経営者に育てるために、これから取り組むべき課題を考えました。
まず、事業戦略の考え方、そして差別化の方法、会計知識の習得、人間力の向上と社外ネットワークづくり、そして10年先のビジョンです。こうしたことを考えると、後継者の育成期間も含めれば、事業承継の準備には5年から10年必要だと考えています。
1.事業戦略の考え方
経営者としての第一歩は、お客さまを知ることです。経営理念の基本的な考え方には、「お客さまに寄り添い、未来を一緒につくる」と記しています。つまり、顧客と共にあるためには、私たちがお客さまから選ばれている理由を探究することが大事だと考えています。そこに真の強みが潜んでいます。常に、顧客を深く理解することで自社の強みを明確にするのです。お客さまを取り巻く経営環境は劇的に変化していきます。課題はどんどん変わっていきます。息子には、理論だけでなく、実際のお客さまの現場や事例を通じて学んでもらいます。お客さまの声を聞き続けること!これにより、現実のビジネスシーンで即座に対応できる力を養います。
2.差別化の方法
次に重要なのは、競争の中で如何にして差別化を図るかということです。差別化とは違いをつくることです。自社独自の価値を高めていくことが大事になります。製品やサービスの独自性は何なのか?顧客に選ばれる理由は何なのか?ライバルとの明確な違いは何なのか?将来どの分野で1位になるのか?
あきない実践道場やあきない接点道場でランチェスター戦略を学び深め、また成功している数多くの事例を探究し、実際に応用できるスキルを身につけさせます。
3.戦略会計の習得
私は若い頃、下請け町工場で働いていました。そのとき、「自分の将来はどうなるのだろう?」という不安をもって働いていました。
会社の将来像が見えないので、自分の将来も想像ができませんでした。
会社の経営は社長1人では出来ません。内部の社員の信頼と協力と、得意先、仕入れ先、銀行などの外部の信用があって成り立つのです。そのためには戦略的な利益計画をつくり、自らの姿勢と方針を明らかにすることが社長の仕事です。戦略MQQ会計をベースに利益計画づくりにチャレンジしてもらいます。
高収益高賃金企業を目指すためには、会計知識が欠かせません。
4.人間力の向上
経営者として成功するためには、技術や知識だけでなく、人間力も重要です。技術や知識は目的を実現するための手段です。頭のいい人がイコール人間性が高い人とは限りません。
学校教育は能力を高めることに多くの時間を割いてきました。通信簿には能力を数字で表し人を評価してきました。しかし本当に大切なことは数字の評価ではなく、数字では表れないその人のもつ優しさや思いやり、誠実な行動やあきらめない気持ちなどです。
これからは、リーダーシップやコミュニケーション能力、倫理観など、人格的な成長のために哲学を学ぶことは欠かせません。息子には感性論哲学をはじめ哲学の学びを深め、多様な経験を積んでもらい、人間的な幅を広げていきます。
5.社外のネットワーク作り
ビジネスは人とのつながりが大切です。息子には、社外のネットワークを構築する重要性を伝えています。あきない実践道場に参加している企業の経営者との交流やなにわあきんど塾など、いい会社を作りたいと熱心に学ぶ次世代の経営者たちと交流を深めてほしい。これが将来の事業発展に大いに役立つと考えています。
6.10年先のビジョン
まず最初の5年で以上のプログラムを実行し、息子を一人前の社長に育てていきます。長い道のりですが、息子と共に歩むこの時間は私にとって何よりも貴重なものです。そして彼が成長し、あとの5年は、事業を引き継ぐ姿を見守ります。
2024年3月入社式を大阪城の堀を巡る御座船を貸し切り行いました。その様子をblogに書きました。チームみんなに祝ってもらい最高の場になりました。ありがとうございます。
最後に、後継者に必要な能力とは
事業承継を成功させるためには、息子には以下のことを明確にして事業に挑んでほしいと考えています。
自分の志は何なのか?
何のために事業をするのか?
事業を通じて何を実現したいのか?
これらの問いに対する答えを見つけることで、息子は確固たる信念と目標を持って事業に取り組むことができると信じています。
このブログを通じて、同じように事業承継を考えている方々と情報を共有し、共に成長していければと思います。息子と共に歩む未来に向けて、これからも努力を続けていきます。どうぞよろしくお願いします。
投稿者プロフィール
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1962年 大阪生まれ。1位づくり戦略コンサルタント。
中小企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。
また豊富な現場経験から生み出された1位づくり戦略をはじめ多彩なテーマで年間100回以上のセミナーを行い、実践的かつ即効性がある好評を博している。
自ら主催する経営塾「あきない道場」には、全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
著書には、『小さな会社★採用のルール』をはじめ、『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』、『小さな会社☆No.1のルール』、『小さな会社☆集客のルール』、『スゴい仕掛け』など、いずれもAmazonカテゴリーで1位を獲得している。
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