お客さまに選ばれるために
ミッションをつくる!
ある工務店の社長から
「どうやったもっと売れるのでしょうか?」
「見学会の集客率が下がっているのですが、
チラシを観てもらえませんか?」
という相談を受けました。
「どうやったら売れる?」
「集客率が上がる?」
これらの言葉は、
自社視点の発想になっています。
つまり
言葉の主語が自社
となっているのです。
お客さま視点で考えると、
「なぜ、お客さまは
私たちの造る家を選んでくれないのか」
「なぜ、お客さまは
うちの見学会に来てくれないのか」
という具合に言葉が変わるのです。
「お客さま」を主語
にして考えると問題が見えてきます。
お客さまに売るという思考ではなく、
お客さまに選んでもらうように
思考を変えるのです。
お客さまが工務店を
選ぶ理由
はいくつもあります。
その中でも大きく影響を与える
ポイントは共感です。
お客さまにあなたの考えや思いを伝え、
共感を得ることによって
多数の競争相手の中から選ばれるのです。
何のために仕事をしているのか?を
考えストーリーにして伝えるのです。
例えば、大阪堺市の工務店
㈱正田工建 正田社長の
ミッションを紹介しましょう。
私は、6帖と4.5帖
お風呂のない文化住宅で
両親と弟の4人家族で育ちました。両親共働きで、
朝から晩まで
必死で働いてくれてるのに
何で家だけこんなに
貧乏なんやろ?
とずっと思っていました。『大きくなったら、
俺が大きなお風呂のあるお家に
住まわしてあげるから!』って
よく言ってました。
すると母はいつも
「はいはい、ありがとう!
期待してるね。」って
幼い私をあしらっていました。小さいながらにも本気で
将来絶対に一戸建てのお家に
両親を住まわせてあげたい!
という強い思いを持ってました。19歳で職人見習いとして
工務店に入社し、
たくさんのお家を
建てさせて頂いたのですが、一職人だったので
お客様と直接関わる事は
ほとんどありませんでした。独立して、お客様の思いを
じっくり聞いて建てたお家を
引き渡したとき、
お客様が涙を流しながら、
「正田さんに頼んで本当に良かった。
一生大事にします。」と言って頂き、
とても感動的な引き渡し式を
することが出来ました。
子供の頃のあの家づくりに
対する強い思いと重ねて、
すべてのお客様のお家を
自分の家だと思い施工してます。私のミッションは
すべてのお客様のお家へ
全力投球し、
顧客満足度120点以上を
常に目指すことです。
さて、それでは自分のミッションとは
どんなものでしょうか。
「あきない実践道場」では、
私から次の質問を参加者に投げかけて、
どんどん突き詰めて考えていただいています。
- 仕事を選んだ動機は何ですか?
- 仕事をやっていて
よかったと感じたことは? - 仕事を通して
何を実現したいと思いますか? - 世の中にどのように
役立っていると思いますか?
いかがですか?
たいていの方はこれらの質問に
即答できないことと思います。
参加者の皆様も1年近くかけて
じっくりと考えておられます。
でもそれでいいのです。
借り物でない、自分自身の言葉でないと、
聞く人の心には響きません。
どこかで聞いたようなセリフでは
聞き流されて、
忘れられてしまうものです。
これらの質問を掘り下げていくには、
自問自答ではなく、なるべく自分の
信頼のおける方と対話形式で
進めていくことをお勧めします。
自分では当たり前と思っていることでも、
他人の視点で「なぜ」と追求されることで、
無意識下に隠れていた自分の本当の思いに
気がつけるようになるからです。