じり貧から脱却したいと思っている
飲食店経営者の方へ
blogを書いた。
こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタント
佐藤元相です。
今日のテーマは、
ランチェスター店舗戦略成功事例_
一回きりのお客をリピート客にする方法
経営で一番難しい仕事は何か?
それは、新しいお客さまを
つくることである。
新しいお客を見つけて
商品を買ってもらう仕事が
最もお金と時間と労力を要するのである。
集客力の弱いお店は
一度、来店頂いたお客さまに
気に入って頂き、
再来店してもらえるようにする。
それは、新しいお客さまを
つくるのと同じこととなる。
良い事例があるので
紹介したい。
2年前に参加した
ランチェスター戦略、
成功事例報告会のことだった。
割烹松屋
ワタリガニ専門店。事例発表は、濱田健二郎氏だ。
濱田氏は大阪泉佐野にある
ワタリガニ専門の店を経営している。ワタリガニ専門店
泉佐野は大阪府下で
1番大きな漁港のある街だ。
当時、創業53年目
濱田氏は社長になって12年だった。
ワタリガニ専門店割烹松屋の席数は、
一階カウンター 10席 2階30席ある。
景気の良いときは夜に
3回転するほど大繁盛店だった。
しかし
長続きしなかった。
特にリーマンショック以降は
景気の波にさらされて
客数は年々減っていった。
店長は焦った。
お客様の要望は全て
受け入れないといけない。
「他の店がやっているのならうちもやらねば!」
デキることはすべてやった。
地域フリーペーパーに
広告を入れた。
安くしないと売れない。
結果、お得なランチの懐石ばかり
注文が増えた。
収益性が悪化した。
うまくいかなかった。
どうすればいいのか
途方にくれた。
経営の勉強を始めた。
ランチェスター戦略を知った。
毎週月曜日 継続的に勉強した。
商品三分に売り七分
営業力が大きなウェイトを占める。
営業と言っても
やっていたことは
チラシだけだった。
「客層を絞れ」と言われた。
子どもから大人まで。
冠婚葬祭。
あらゆる客層に広げた。
どこに絞ればいいのか?
わからなかった。
客層を絞るというと、
まわりから反対された。
経営の原理原則を学んだ。
学んで実践した。
小さなお店は
客層の絞り込みが重要だと
理解した。
理想のお客さまを決めた。
決めたお客さまとのご縁を
大切にすればいいと思った。
まずは、
感謝の気持ちを伝えることから
始めた。
来店後、感謝のハガキを書くことにした。
顧客の名簿が必要だ。
接待などでご利用いただける方は
名刺をいただき名簿をつくった。
しかし家族や友人と来店頂ける方は
情報をどう集めたらいいのか
分からなかった。
そこでアンケートを取る
ことにした。
お店でお客さまにアンケートの
依頼をすることにした。
個人情報を集めるなんて、
「無理がありますよ」と
スタッフからは賛否両論あった。
住所を知られると
あとでDMが送られる印象がある。
売り込まれたくないは
「顧客の心理だ」
だからやめた方が良い。
しかし、店としては、
顧客と縁をつなぎたい。
反対意見もあったが、
顧客にアンケートを
実施した。
回収率は97%だった。
驚いた。
アンケートの内容は、
懐石の量は多くなかったですか?
今日はイベントですか?
年配者の方
家族の方
客層に合わせた会話を心がけた。
ツールもこだわった。
ペンとクリップファイルは
上質なものにした。
アンケートを集めて、
お客さまのカルテをつくった。歯医者さんの問診票を参考にした。
顧客ファイルには
一番最初に
お客さまの好みを
記すようにした。
次第にお店の宝の情報が
あつまった。
お客さまの不満があれば
すぐに改善した。
開店前、予約頂いたお客さまの
情報を共有するようにした。
5年で3000件以上の顧客情報が
集まった。
紙ベースで管理している。
自分で文字を書くことで
顔と名前が覚えられる。
すぐに結果が出ると思ったが
時間がかかった。
ゆっくりではあるが、
業績は着実に伸びていった。
顧客に忘れられないように
「旬の味心」という通信を始めた。
来店後は、
御礼状を出すことにした。
手書きの御礼状は
1時間5枚程度しか
書けなかった。
これはダメだと思った。
能率良く
御礼状を書くため
仕組みをつくった。
スタッフ1人が
1時間に30枚書けるようになった。
結果は数字になって
現れた。
250枚の御礼ハガキで
トータル
50組来店してくれた。
御礼状のハガキを書くと
お客さまが
「わざわざありがとう」と
手書きのハガキに
とても喜んでくれた。
コツコツ10年やってきた。
すべてが順調にできたワケではない。
御礼状のハガキを書き始めて
5年目でマンネリ化した。
お客さまからの反響に
手応えを感じなくなった。もう止めようとおもった。
しかし御礼状をやめると
お客さまから忘れられる。
危機感を持っていた。
「ありがとうございます」
感謝の気持ちを伝えることに
徹することにした。
初心にもどり実践した。
粘り強くやった。
結果が出なくても
「なんとかなる」
プラス思考でやった。
現在、来店いただいたお客さま一人に
対して年間6枚のハガキを出している。
1ヶ月1500枚の感謝の気持ちを伝えている。
お客さまフォローを確実に
できるようになった。
御礼状の他、ハガキには
「ユネスコ文化遺産 和食
ワタリガニの文化を残していきたい」
食文化への思いを書き綴っている。
おもてなしは人と人である。
ワタリガニ専門店ではあるが
ワタリガニ屋ではない。
人生の大切な場面でこの店を
選んでもらいたい。
料理はもちろんだが、
五感でうちの店を
楽しんでもらいたい。
これこそが私たちの誇りである。
素晴らしい取り組みである。
経営で最も優秀な人とは、
「顧客のことを良く知っている人」
である。
どんなことに関心があるのか?
観察力のある人のことをいう。
顧客を観て察する。
開店前、予約をいただいた
顧客の情報を全員で共有して
対応する。
好き嫌いのチェック。
量が多くて少なくして欲しいと
要望のあった年配者の方。
こうした配慮があることで、
このお店は対応力の良いお店だ。
と高い評判を得るようになる。
手書きの御礼状も良く
続けられたと思う。
顧客の反響が少なくなると、
やっていてどうだろうか?
時間もコストも気になって
迷いが生じる。
御礼状の目的が
あいまいだと、
せっかくの取り組みを
中断してしまう店も
よく見受けられる。
売上げを目的にしない
御礼状の目的は
感謝の気持ちを伝えること。
選んでくれて
ありがとうございます。
その気持ちを届けることに
徹する。
こうしたお店が
お客に愛され、選ばれて
永続していくのである。
がんばれ!
地域の小さな飲食店!
そんな願いを込めて
blogを書いた。
編集後記
今日はJR関西本線の加太駅を
紹介しましょう。
JR線で乗降者数が2番目にすくない駅
駅にはノートが置いてあり、
地元の方や観光で訪れたかたの
メッセージがたくさん記されていました。

加太駅 駅舎の様子
面白いですね。