チラシを使って工事の見える化を図る
今回は、お客様や地域に対して
自社の姿勢・方針を発信していく戦略
についてお話していきたいと思います。
その手がかりとして
まず手掛けたいテーマが
「工事の見える化」
です。
住宅建築における
「工事」
とは、ビルダー様にとっては
自社の仕事の内容の根幹に関わる
重要な部分ですが、
一般の方にとっては専門的で
理解しがたいものでもあります。
ここを一般ユーザー様にも
きちんと把握できるように
「見える化」
しておかないと、望ましい形で
自社を評価していただけません。
近隣からは騒音などを
理不尽に巻き起こす迷惑な存在
としてとらえられてしまう
危険性もあります。
そこで利用したいのが、
工事が始まる前に近隣に撒く挨拶チラシ
です。
通常、ビルダー様では、着工の前に
迷惑のかかる近隣の方に対して、
粗品を持って挨拶回りなどを
なさると思います。
これをしておかないと、
工事開始後たちまち近隣からのクレームに
見舞われてしまうというリスクがあることは
皆様もよくご存知であることでしょう。
ただ、挨拶に回れる範囲は
時間と労力の限りもありますから、
そう多くはありません。
せいぜい現場の「向こう三軒両隣」に加え、
工事車両が通過・駐車するスペースの
周辺くらいになるかと思います。
そこで、挨拶回りの前にまずは
現場の周辺60~100軒程度に工事の告知と
挨拶を兼ねたチラシを撒くのです。
事前に社名を認識してもらえれば、
あとで実際に挨拶にうかがっても
「ああ、あの業者ね」
ということですんなり
受け入れてもらいやすくなります。
1万枚を月に1回、地域全域に撒くよりも、
現場周辺にエリアを絞って
100枚を2週間に1回撒くほうが、
そのエリアでの
浸透・認知度の向上は効果的に図れます。
今回はそのための
ちょっとしたコツをご紹介します。
売り込みよりも近隣への思いやりを
まず心がけていただきたいのは、
売り込みではなく、あくまで近隣への配慮
であり、お施主様の代行を
しているのだという意識です。
工事が始まれば騒音や振動、
ほこりなどが発生します。
車や人の出入りも増え、
日常が落ち着かないものになります。
建築工事は、
お施主様にとっては夢の実現であり、
ビルダー様にとっては生活の糧
となるものですが、
ご近所の方にとっては迷惑以外の
何ものでもありません。
そこをはき違えて、
他の現場の紹介や
自社の宣伝的な文言を盛り込んでしまうと、
かえって反感を呼んでしまう怖れがあります。
あくまでも
「どこの工務店が」
「施主○○様の工事を
担当することになりました」
「ご迷惑をおかけすることも
あるかもしれませんが」
「不行き届きのないよう、
工事を行いますので
よろしくお願いいたします」
といった内容を軸にすべきでしょう。
ここで重要なのは、
工事の内容と工期を明記することです。
どんな工事がいつ行われるのかが、
あらかじめ告知してあれば
周囲の方の安心感は高まります。
そこで私が提案したいのが
「ストーリーチラシ」
です。
チラシというと、
見学会やイベントのたびに
単発で撒く印象がありますが、
ひとつの現場に対し、
主要な工程ごとにチラシを用意するのです。