タイでチャレンジする小さな町工場の闘魂経営
あきないタイ道場2017
あきない道場で学ぶ従業員数30人以下の
企業経営者17名が参加した。
参加企業は、製造業・エクステリア業・
オーダーメイドキッチン製造・生コン製造販売・
Webコンサル・販促デザイナー・住宅建材販売業・
工務店など様々な業種の方々である。
今回のタイ・バンコク中小企業視察の企画、
コーディネーターをサポートしてくれたのは
吉本興業のタイ住みます芸人
ぼんちきよしさん。
タイ在住2年半、現地で積み重ねてきた信頼から
ご縁を頂き今回の企画が実現できた。
「タイ語で話しタイ人を笑顔にする男NO.1」
そして視察を快く受け入れてくれたのは、
茂呂製作所の茂呂社長。
失礼ながら、茂呂社長にキャッチをつけるとすると
「本気でタイを良くしようと行動している男NO.1」だ。
では、視察レポートを始めよう。
タイで頑張る日本の町工場

茂呂社長のプレゼン
ものづくり大国日本の技術をタイ王国で活かし貢献したい!
茂呂社長はミッションを掲げ、
2014年タイ営業拠点を設立した。
タイ人11名 日本人2名
Manufacture Overhaul Rapid and Optimal Co., Ltd.
現在4期目。
設備を持たない。工場もない。
コストを最小限に抑え、軽装備でタイ事業を立ち上げた。
ニーズをつかむ
きっかけは、2013年タイの展示会に
出展したことだった。
現地企業で日本の工作機械や機械部品が
使われている。
機械設備の修理、メンテナンスのニーズが
多くあることを知った。
日本技術の優位性を感じた。
茂呂製作所は、山梨で1978年創業した町工場である。
旋盤加工や金属加工などの下請け加工から始まった。
現在は、一般産業用機械・装置製造業、工場設備における
治工具・装置の製作、部品製作、機械メンテナンス
サービスを主とする業務を行っている。
茂呂製作所 代表取締役 茂呂哲也 従業員数20名。
利益が期待できる市場で強い商品やサービスをもつ
茂呂製作所の強みは
世界トップシェアを誇る日本メーカーの保守業を
請け負い高めたメンテナンス技術、
さらに産業用ロボットメーカーとの
協同開発を行い生産設備のオートメーション化や
治具開発などさまざまな産業用機械・設備の業界で
技術を培ったことにある。
日本の成功モデル、培った経験や技術を
タイで活している。
致命的な弱点とは・・
茂呂社長は言う。
タイでは意思決定の早さで未来が決まる。
サラリーマン感覚では出遅れる。
致命的な弱点となってしまう。
顧客の要望をいちいち日本に打診して
お伺いをたてているヒマはない。
顧客は待ってくれない。
スピード対応。
茂呂社長は軸足をタイに置くことを決意した。
海外進出で必要なこと
茂呂社長は海外進出で必要なポイントは6つあるという。
1.その国の人材を日本で育成しておくこと。
2.経営権を持った方が現地に駐在する。
3.海外進出に超前向きな役員が2名いることが望ましい。
4.現地スタッフをナンバー2以上に据えて信じ抜くこと。
5.現地企業のパートナーを見つけること
6.欲張らない進出方法を選ぶこと。けど多角化。
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1.タイ人を日本の会社で受け入れ技術指導していた。
現在、現在タイの会社は受け入れ指導したタイ人が
代表をしている。
2.スピード対応。日本に確認します。では対応が遅すぎる。
致命的な弱点となってしまう。
鉄は熱いうちに打て。ほしい!に即答える。
先を見据えた受注であったりすることもある。
3.日本と連携することが強みとなる。
日本で海外インターンシップを受け入れた。
タイ語・米語のできる日本人スタッフがタイと
日本の技術的な橋渡しをしてくれる。
4.スタッフを信じ抜く。何があっても信じる。
自分だけ良くなろうなんて思ってはいけない。
みんなで良くなることを一緒に考え実行する。
5.現地企業パートナーを見つけること。
日本人同士つるまない。
社会のため、従業員のために、人に認められて、
価値を共有できる仲間をつくる。
6.欲張らない。
自社の得意な分野に集中する。
その他のビジネスは現地パートナーと分かち合う。
自分の会社だけ儲けようなんて考えない。
ランチェスター弱者の戦略
弱者必勝の戦略に「軽装備で動きの早さを保つ」ルールがある。
茂呂製作所 茂呂社長は、ジェトロバンコクの支援を受け、
事務所を開設した。
3ヶ月間という短期間ではあるが低コストで
事業を立ち上げタイでの基盤を築いた。
現場徹底主義を実現している。
社長自ら現地情報を集めるため行動し
意思決定を行っている。
強みは日本で培ったメンテナンス技術。
大型設備を必要とせず、教育に絞り込み、
初期投資の負担が軽いシステムを使っている。
差別化は社長の本気度
茂呂社長が現地に駐在することで自ら足を運び、
市場を開拓している。
社長の行動力は会社の業績に直結する。
即断即決、社長自身の目と耳で確認することが何より重要だ。
社長の本気度は現地スタッフはもちろんのこと
日本のスタッフにも伝わっている。
スタッフの定着率が高いのもその影響だろう。
強いモノをより強くする
規模が小さな会社は現在の経営力で1位になれる
商品やサービスに特化することで生産性が高まる。
タイの事業は産業用機械のメンテナンス・修理に特化し
日本の成功モデルをタイビジネスに合わせ、
最適なスタイルをつくりだしている。
日本で培った得意な技術は優位性があり、競争力のある
メンテナンスサービスを実現している。
最後に
会社をよりよくするには、社長は強い願望を持つことにある。
茂呂社長は「メンテマンの育成はタイ王国の
技術の底上げにつながる」と自社だけの取り組みを超え、
タイ人の未来をも視野に入れていた。
燃えるような願望は、
スタッフの力を存分に発揮するエネルギーとなる。
明確な目標があるからこそスタッフは
ゴールへ向かって互いに協力することができるのだ。
社長は大きな願望をもつ。
それは日本でも世界でも変わらないと感じた。
可能性に限界はない!
最後に、
ジェトロバンコク
管野明様、サポートをありがとうございます。
MORO 高橋臨様
プレゼンとてもわかりやすくてのめり込みました。
茂呂社長 あきない道場の視察を
快く受け入れてくださり、
ありがとうございます。
心から感謝しています。