顧客の個人情報から次の受注の機会を知る
取材をする上で大切なのは、
聞いてきた相手の言葉を
そのまま文字にすることです。
自分の言葉で言い換えてはいけません。
それをやると、相手の言葉のニュアンスや
意味合いがこぼれ落ちてしまって、
結局自分の従来の理解の範囲や先入観で
都合よく再構成してしまいがちです。
ですから、
取材は部下に行かせるのではなく、
なるべく社長自身が直接聞くべきです。
顧客が話しやすいようであれば
担当者に会話をさせながら、
同席して耳を傾けましょう。
複数で聞き取ると、
顧客の言葉についての
勘違いも減りますしね。
また取材の際には、
せっかくの機会ですから顧客の個人情報も
あらためて細かく聞いてみましょう。
家族の状況、学歴、関心事、趣味。
これからの人生をどう考えているのか。
いまの生き甲斐は…などなど、
顧客のカルテを作成するのです。
住宅業界に限らず、優秀な営業マンは
顧客のことをよく知っているものです。
そこには次の
ビジネスチャンスが眠っています。
顧客取材のメリット
たとえば
「うちの息子が東京に行っている」
「わしの事業を継ぐのや」
「3年後に戻ってくる予定だから
同居するんや」
ということになれば、
「3年後にリフォームの可能性があるな」
ということになります。
息子さんが今度帰郷する予定も聞いて、
そのタイミングで顔を出すようにしよう、
などと対応を具体的に考えておけます。
「取材」というと大層なもののように
思われるかもしれませんが、
要は「御用聞き」のようなものです。
顧客はどんな状況で何を欲しているのか。
聞けば予想以上に
いろいろ話してくれるものです。
人間は話を聞いて欲しいものですからね。
取材の機会を持つことで
「いいお客さん」
との関係を強化できるという
メリットもあります。
今後、はがき1枚書くときでも
気の利いた一言を添える、
なんてこともしやすくなるはずですよ。
繰り返しますが、大切なのは取材を通して
自社の強みを知ること、
顧客の評価を知ること、
顧客の個人情報を更新することです。
その場では決して自社を
必要以上に売り込んだり、
直接的に受注をとろうと
焦らないように気をつけましょう。
最初からうまく
取材できるとは限りません。
でも、まずは
取り組んでみることが大切です。
前回は、取材で出てきたキーワードを具体的に掘り下げるやり方についてお伝えしました。