NHK連続テレビ小説「スカーレット」のロケ地へ行ってきました。
主人公の川原喜美子が勤めていた「丸熊陶業」

丸熊陶業にて…
ロケ地は、撮影のために並べた火鉢や看板がそのまま残してありました。
信楽焼というと、私は狸の置物や土っぽい食器を思い浮かべますが、時代の流れにより大きく変化してきたようです。
江戸後期から信楽で「火鉢」が製造され始め、大正時代には主力製品となっていました。
ところが1950年代前半から、ストーブの普及により火鉢の需要は衰退していきます。
主人公、喜美子が信楽焼に興味を持ち、「丸熊陶業」に入った頃はこの頃かな…
絵が得意だった喜美子は、火鉢に絵を描いていました。

火鉢に絵付
価値を付けようとしていたのですね。
旧信楽伝統産業会館にスタジオから移設されたセットや、ドラマに登場した小道具などが展示されていました。
1955年には、信楽焼の主力は植木鉢へと変化していきますが、その後、プラスチック製品が急速に普及してきます。
生活陶器は衰退と開拓を繰り返し、1965年信楽焼の主力はタイルなど建築用材へと移り変わっていきました。
信楽焼をとりまく状況は近代化の流れにより大きく変化したのですね。
喜美子は、この頃に丸熊陶業から独立しています。
自らの窯を開き、独自の信楽焼を見出していきますが、喜美子が挑戦した穴窯は、たった1度の焼成で数十万円もの薪代が飛んでいきます。

穴窯の前で…
金銭的にも精神的にも、追い詰められますが、失敗を繰り返し、借金までして、それでも諦めず挑戦した7回目に理想の色にたどり着きます。
辛く苦しい道だとわかっていても、そこでやり遂げる断固たる決意、陶芸への情熱、「スカーレット」はそんな大切なものを学んだドラマでした。
丸熊陶業のロケ地となった山文製陶所で植木鉢を購入して帰り、早速植木を入れて飾りました。
ろくろの陶芸体験もしてきました!
土の感触や少しの力で形が変わっていく面白さ、芸術的センスはなくても下手でもそれが素敵なオリジナルの作品ができること、楽しかったです。
また行きたいです!