本日のテーマは、
「『人生参加型』という
和歌山県田辺市の
スゴい工務店」です。
和歌山県田辺市は、
人口7万人・世帯数は2万弱の地域です。
ここに地域密着で活動している
高垣工務店があります。
高垣工務店 創業1952年。
従業員40名。
地元密着で海が近く。
当社は、田んぼに囲まれたのどかな町で
「人生参加型」工務店をめざし
地域と共に成長する会社を運営を
実践しています。
2019年の実績は・・・
・「注文住宅の年間着工棟数が40棟」
・「顧客満足度ランク3年連続全国1位」、
(日本最大の工務店ネットワーク
ジャーブネット)
・お客の満足度も高く、
紹介率は92%(2019年度)
です。
人生参加型の工務店の取り組みを
あきない道場新春特別セミナー2020で
特別講師を担当していただきました。
人生参加型の工務店とは?
家づくりを通して、地域の人と共に関わり、
より良い未来をつくることが高垣の願いだと
いいます。
高垣工務店はお客さまからの要望を受け、
より良い地域をつくるため、
常に進化しており、
現在は、新築事業部、住宅再生事業部、
健康事業部、教育事業部と4つの事業部で
構成されています。
石山社長は
「ボクは高卒で、
高垣工務店へ入社しました。
分け合って、退社しました。
しかし、あることがきっかけで、
もう一度、高垣工務店で働きたいと、
社長に頭を下げて、契約社員として、
受け入れてもらいました。」
と当時を振り返り話してくれました。
しかし・・・
それから数ヶ月後、社長は病に倒れました。
高垣工務店は大丈夫か?
お客さんに仕入れ先の方、
協力してくれている業者さんまで、
みんな口には出さないが、不安感は
地域に広がりました。
そんな中、石山さんは、
「不安にさせてはダメだ」と
暗い顔するな!
笑顔でいよう!
元気だと伝えよう!
社長が倒れたからって
大丈夫。
ボクたちは、
協力してやっていける。
いっそのこと、
お客さんにボクたちが一生懸命、
笑顔で頑張っている様子を
観てもらって、同情してもらうことも
アリだよ!と開き直り、打って出ました。
ある日、石山さんは、会合で高校野球を
観ていて、知り合いの奥さんに
「どっちのチームを応援していますか?と
質問したら、負けている方に
決まっているでしょ」
という体験がひらめきだったと言います。
家ではない。
モノではなくボクたちは、
人が売りだ!
それからというもの、
チラシやカンバン、Webサイトなど
あらゆる販促ツールに
ヒトを登場させています。
これが当たった。
お客さんの同情を買うチラシ(笑)
一生懸命に頑張る人を応援してあげたい!
ひたむきな姿を応援してあげたい!
人にはそうした心理があるのです。
支えてくれたお客さまのおかげで、
高垣工務店の業績は落ち込むどころか、
毎年、受注棟数を伸ばしていきました。
働く人も増え、本格的に人材に
取り組むことになりました。
石山さんは、人材育成で何より大事に
していることがあるといいました。
それは・・・・
なんだと思いますか?
理念です。
高垣理念です。
自尊心を育みあいます
未来を見せつづけます
自己責任で向かいます
変化する事を楽しみます全人類の
「ありがとう」を頂きます。「あっとうてきにいい人たれ!」
石山さんの思いを感じる理念だと
私は感じました。
あっとうてきにいい人たれ!
全人類の「ありがとう」を
いただくために。
地域を越えて、国を超えて、
全人類を視野に入れた理念です。
大きい。
じつに大きい。
自尊心を育みあいます
未来を見せつづけます
自己責任で向かいます
変化する事を楽しみます
この理念を探求するため、
石山さんは人材育成に力を入れて
取り組んでいます。
人材育成はとてもユニークです。
人材育成について石山さんは
パワーポイントのファイルを
すすめていきました。
ボクを含め、うちの会社は、
高卒の人たちが多く、大学への憧れを
持っていると思っています。
サークル活動って響きがいいでしょ。
テニスサークルや登山サークルとか・・。
飲み会や合宿などたくさんのイベントがあり
サークル活動を通していろんな人間関係が
できる。サークルは楽しいもの。
じっさいは、知らんけど(笑)
それで会議のネーミングは、
サークルをつけるようにしました。
クレーム会議。
営業推進会議。
ネーミングが重い。
「明日・・会社行きたくない」と
ボクでも思う。
会議は重い。
会議という、音の響きだけで
やる気が起きない。
脳科学で分かっていることは、
言葉が映像となり感情を動かします。
だったら楽しい言葉を使うほうが
いいですよね。
『人生参加型サークル』
『イベントサークル』
『地域貢献サークル』
こうして、サークルという
ネーミングのイベント企画会議を行い、
新入社員を育成しています。
サークルは、新入社員の育成のために
つくられたプログラムの一つです。
新入社員が会社のイベントの
企画運営をしきる。
体験からリーダーシップを
学んでいます。
1年目の新入社員がサークルの
キャプテンとなり、
先輩が副キャプテンで
新入社員を支える仕組みです。
・計画立案
・スケジュール管理
・予算管理
・集客からフォローまで
すべてをチームで考え実行するのです。
新入社員は会社のことはよく分からない。
勝手に自分の考えで行動できない。
仕事も指示されたことをやるしかない。
しかし、指示されて動くだけの人間に
なって欲しくはない。
自分で何が良いのかを考え行動する人に
成長して欲しい。
そこで、考えたんです。
経営の重要なところに
直接関係しないことなら
失敗しても大丈夫でしょ。
任された人も心理的に安心です。
そうした心理的安全性のある
環境をつくり新入社員に任せる。
場をつくるのが私の役割です。
新人(キャプテン)が
先輩(副キャプテン)に指示できるなんて、
普通ありえないでしょ。
サークルは社員が協力しあう
関係づくりです。
イベントが成功すればヒーローになれる。
自分で決める。
やる。
誉める。
これ・・
自尊心の高まる方程式です。
成功したイベントのひとつが、
「大人の本気の運動会」です。
地元の男女が多数、イベントに集りました。
ドッジボールや綱引き、リレー大会。
軽くカラダの触れるフォークダンス。
イベント開催後、
参加した人たちの中で、
数組のカップルができました。
そして結婚して、
子どもが生まれました。
地域に貢献している実感を
もってくれていると感じています。
若いひとたちの感性は豊かです。
おっさんが考えるよりずっといい。
斬新でユニークです。
私は今すぐ成果を求めません。
いつか、うちのお客さんに
なってくれればいい。
そんな気持ちです。
まずは地元での認知度を
高めていくことが大事。
あっとうてきにいい人たれ!
石山社長は笑顔で話していました。
まだまだ話はつづきますが、
今日はここまで。
私の経験や知識、考えが、
あなたの人生に少しでも
影響を与えることがあるのであれば
これほど嬉しいことはありません。
本日も、お付き合いくださり
ありがとうございます。