小さな工務店の差別化は社長の志
この日は、対馬で工務店営業力強化の
研修を終えて懇親会の席でした。
実は、人口3万人のこの島に
本土から強大なライバル会社が
進出してきています。
小さな会社は生き残りのため、
ライバル会社と差別化しなければなりません。
私の前に座った工務店の社長が
「先生ちょっと聴いてもらっていいですか」
と話を始めました。
オレは親父の後を継いで
大工になった。けどさ、親父はすぐに亡くなって、
なーんにもわからんまま
この会社をまかされた。そんな信用もないオレに、
ある会社は、お金を払う前に
資材を提供してくれた。ある大工は、オレに惜しみなく
技術を教えてくれた。
いろんな人に支えられて、
今があると思っている。本当に感謝している。
オレは、自分のかかわった家は、
自分の家だと思って仕事をしている。家づくりにかかわった人は
家族だと思っている。一生に一度の買い物に、
オレを選んでくれた。与えられた責任は大きい。
大切な機会だ。お客さんから頂いた予算で
何ができるのか脳みそを
フル回転させて考える。これがオレたちの成長につながる。
お客さんから学ぶことが多い。
「あんたのとこは働きやすいよ」
と職人が集まってくれる。こんな嬉しいことはない。
この仲間がいなければ家は造れない。みんなが良くなる。
仕事も仲間みんなでシェアをする。いま、自然といいお客さまが
声を掛けてくれている。これが自然の流れだとオレは思う。
オレはずっと対馬で生きていく。
大切な仲間と一緒に。お客さまからのありがとうの
数がオレたちの退職金だ。いっぱいたまっているよ(笑)
なるほど。と頷きながら、
私は社長の話をずっと
聞いていました。
私がこの島へ研修にきているのも
差別化対策を指導するためです。
私は差別化は、物でもなく、
価格でもなく、人だと考えています。
懇親会で聞いた
社長の仲間を大切にする思い、
家を造る姿勢や熱意、誇りが
大きな差別化になると確信しました。
それをどうやって伝えていくのか!
きっかけづくりが
私の役割だと感じた時間でした。
国境の島、対馬が誇れるもの。
それは、島の人の絆と誇りです。
私は彼らと出会えたことに喜びを感じました。
そして私の使命感に火がつきました!!
小さな工務店の差別化は社長の志です。
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