社長と営業責任者の営業方針の違い
あきない塾 早朝勉強会で
「弱者の地域戦略」を伝えているとき、
利益性の高い会社をつくるため、
どのような考えで
営業エリアを決定すればいいのか
次の事例で話をしました。
福井で小さな工務店に特化した
営業研修を行ったときのことです。
休憩時間にあるリフォーム店の
営業責任者が相談したいと
やってきました。
会社は創業10年で従業員数が8名、
営業担当が2名のリフォーム専門店です。
会社から1時間先の住宅地で
下水道工事が始まるので、
このエリアで排水設備の
工事が増えます。
住宅のトイレは水洗式に変わり、
トイレからキッチン、バスなど
水回りのリフォーム需要が
確実に増えます!
私たちは指定の工事業者に
登録しています。ここを集中的に攻めたいと思って、
何度かチラシをまいてきました。必ず会社の売上げは伸びるのに、
社長は「やめろ!」と言うんです。「なんでや!」と思いませんか?
売上げを伸ばすチャンスなのに、
なぜ、やめなければならないのか?
意味が分からん!先生から、
社長に言ってやってくださいよ!
営業責任者は社長への不満を
ぶつけてきました。
社長と営業責任者が、
営業方針の考えが違い、
意見が対立しているようです。
なぜ社長はダメだと言っているのか?
どちらが正解なのか?
社員全員が社長の戦略を理解することが大切
この事例を早朝勉強会の中で
取り上げました。
会社から遠くなるにつれて、
移動時間が多くなりロスが増えます。
またリフォーム業の場合、現金になるまで、
現地調査、問い合わせ、クレーム対応など
何度も訪問しなければなりません。
お客さまが広いエリアにまばらに分布すると
訪問の人件費、修繕の訪問、集金や
アフターなどの費用が全て割高になり、
利益性は低下してしまいます。
さらに活動地域を広げると
競争相手も増えます。
価格競争に陥る可能性が高いのです。
ランチェスターの地域戦略では、
利益性の原理原則があります。
お客さまの分布で利益性が変化します。
つまり、一定の地域内にお客さまが
密集していると利益性が良くなるのです。
これを集中の原則といいます。
以上のことから会社の近い所から
強化していくことが鉄則となります。
会社の近くにお客さまを多くつくる、
まずは地元をしっかり固めることです。
このようなお話をすると、ある社長が
この事例を会議で使いたい!
これまで幾度も話してきた
地域戦略についてスタッフが
どこまで理解しているのか?
意見を聞きたい。それで彼らの考えが
確認できるだろう。
と言いました。
強い会社になるためには、社員全員が
社長の戦略を理解することが大切です。
営業会議でこうした事例を活用し、
意見を求めると、各自がもつ
ランチェスター戦略の理解度が
概ね分かりますね。