こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタント
佐藤元相です。
今日のテーマは「サラ金と布団のかたまり」です。
です。
中学三年生の時、
父は個人経営で建築関係の仕事をしていました。
工務店の下請け仕事が中心で毎日朝早くから、
夜遅くまで働いていました。
そんなある日曜日の朝「金払わんかい!」、
「逃げたんか!」と玄関を叩く男の声で
目が覚めました。
母が慌てて外に出ましたが、
男たちの大きな声は鳴り止みませんでした。
その時、父の姿はありませんでした。
「どないしたん??」と母に尋ねると
「親会社が倒産して約束手形がサラ金業者の手に渡り、
うちへ督促にきた」というのです。
父は親会社から受け取った約束手形に
裏判(保証人の印鑑)を押して、
仕入れ先への支払いにその手形を使いました。
連鎖倒産のようなことになりました。
当時は商売の仕組みを
よく理解できませんでしたが、
なんだか大変なことになっていることは
男たちの声でわかりました。
それから数日間、
朝は男たちの怒鳴り声から始まり、
督促の電話は昼夜問わず鳴り続きました。
「リーン リーン」と電話の呼び出し音が鳴ると
妹は泣きました。
男たちの怒鳴り声と同じに感じていたのかも
しれません。
私は無力な自分を感じていました。
この先どうなるのか不安でいっぱいでした。
どうにかしないとみんなの気が狂ってしまう。
母は私たち兄弟に「心配かけてごめんな」と
言っていましたが、サラ金業者の男に対する
母の態度に卑屈な感じはしませんでした。
あるがままに受け入れるしか
ありませんでした。
私は「とにかく明るくいよう」と
決心しました。
そんなある時、学校から帰ると、
大きな布団の塊が部屋にありました。
「なんやこれ?」と弟に聴くと
「電話や」というのです。
幼い妹は布団の塊の上で腕組みをして座り、
自慢げな顔をして私をみました。
その時、座布団と毛布で
ぐるぐる巻きになった中から
電話の音が鳴りました。
「コトコトコト」
「コトコトコト」
威圧的に感じていた電話の呼び出し音が、
小さな昆虫の鳴き声のように
か細く聞こえました。
「あははは!」
弟が勝ち誇ったように笑いました。
「撃退した‼️」
私たち兄弟は、
互いに顔を見合わせて笑っていました。
しかし母は台所に隠れるようにして
泣いていました。
閉塞感に押しつぶされそうな毎日でしたが、
「布団ぐるぐる巻き電話」の登場で
私は無力感から解放された少し楽な気持ちに
なりました。
しばらく督促は続きましたが、
法的な処置が進みやがて終焉を迎え、
またいつもの生活に戻りました。
もう40年以上も前のことですが
今でも鮮明に覚えています。
兄弟喧嘩もたくさんしましたが、
兄弟の存在が私の生きる活力で
あったことは確かです。
いざというときに頼りになる兄弟がいる。
最悪の環境に立ち向かう母の態度と
弟や妹の存在に私は「救われた」と
感じています。
お前らは兄ちゃんの大切な宝物や!
かつし ふみ なみ きよし
兄弟でいてくれてありがとう。
お前たちをずっと守っていく
覚悟でいる。
父親代わりの
兄より愛を込めて(^^)。
最後に、借金に対する考えや
保証人の印を押した責任の大きさ、
約束手形を取り扱いについて、
このときの体験から学びました。
あのとき、あれほどつらかった体験が
今の私の人生を支えてくれています。
ありがたいことです。
さぁ今日はここまで!
私の経験や知識、考えが、
あなたの人生に少しでも
影響を与えることがあるのであれば
これほど嬉しいことはありません。
本日も、お付き合いくださり
ありがとうございます。