顧客との関係を築く
前回は、営業プロセスの
顧客と出会う機会「チャンス」
について解説しました。
次のステップが「アプローチ」です。
見学会に来場したり、
問い合わせのメールを
送ってきたりした人たちに、
いきなり売り込みをしても
逃げられてしまうだけです。
「アプローチ」とは人間関係を
構築するステップのことです。
たとえば見学会に来た人が
全て顧客になるわけではありません。
それなのに全員を同じように接客して、
無理にアンケート用紙を渡しても、
それは押し売りになるだけです。
いきなり年収や予算、
土地の有無などを
聞き取ろうとしても無駄。
人は、見知らぬ人に対して
警戒心を抱くものですから、
まずは会話からお互いの共通点を
探してみましょう。
出身地、学校、趣味、家族構成、
なんでもかまいません。
ひとつでも多くつながりを
見つけて雑談を続けましょう。
そこで大切なのは、
その場限りの雑談に終わらせず、
相手の人となりを理解し、
自分のキャラクターを
伝えようとすることです。
スイーツが好きなら
お勧めのお店を聞いてみる。
聞くだけではなくて、
実際に行って味を確かめる。
そして
「いいお店を教えていただいて
ありがとうございました」
とお礼のハガキを送る。
そこまですれば、
相手も「話を聞いてくれた」
「理解しようとしてくれた」と
好感を持ってくれるようになります。
プレゼンテーションまで持ち込んでも
うまく契約に結びつかないとすれば、
たいていはヒアリングが
十分にできていないことが原因です。
そしてヒアリングで本音を引き出すには、
このアプローチの段階で十分な
信頼関係が築けていないからです。
私がビルダー様にお勧めしているのは、
アプローチブックをつくることです。
自社はどんな住宅なら
ナンバーワンの自信があるのか、
どんな歴史があって
どんな展望があるのか。
建築のプロとしての
自分のミッションはどんなことか。
実績や成功事例には
どんなことがあるのか。
どんな会社と取り引きをしていて
信頼を得ているのか。
四角四面の会社案内ではなく、
顧客に伝えたい「いいところ」を
資料にまとめておくのです。
営業のときには、
このアプローチブックを
手元において説明していけば、
漏れなく情報を伝えることができます。
そして最後に、
「お客様の家づくりの
パートナーとして関わりたいと思います。
次はヒアリングとなります。
お客様のお話もうかがってよろしいですか」
と確認をとりましょう。
次の段階へ進むことについて
きちんと同意をとらないと、
先へ進みません。